東京“週末ロックダウン”。拡大する感染に対し東京都の権限は? 都の担当者に聞く

買い占めの影響で今もトイレットペーパーは品薄(写真はイメージ)
― 今後、都内を対象として「緊急事態宣言」が出されると何が変わるのでしょうか。

「仮に緊急事態が宣言された後も、都民の皆さん個人に対して知事が行える措置は、不要不急の外出自粛の要請にとどまります。ただし、この場合においても、国のガイドラインでは、医療機関への通院や食料の買い出し、職場への出勤など生活の維持のために必要な外出は要請の対象とはならないとされていますので、繰り返しになりますが、必要以上の買いだめは控えていただくようお願いします。

 また、施設や事業者に対する措置としては、施設の使用制限やイベントの開催制限等の「要請」に加え、同様の「指示」を行うことが出来るようになっています。また、知事がそうした要請や指示を行った場合、対象施設名が公表されることになっています。ただし、現在の特措法では、海外の事例のように、要請・指示に従わなかった場合の罰則等は想定されていません。

 このほか、一定の条件に該当する場合、所有者等に通常生じる損失を補償したうえで、臨時の医療施設を開設するために必要な土地や建物等を所有者等の同意なく使用したり、医薬品、食品等法令で定められた物資(「特定物資」と言います。)の所有者が売渡しに応じない場合でも物資を収用したりするなどの権限が知事に与えられます」

― 法令の範囲でも緊急時には、医療やインフラなどに対して、都は必要な措置をとることができるということですね。一方で、行政が外出自粛を強制できないのであれば都民の自主的な行動が必要になりますが、危機感の度合いも人それぞれとなってしまっているようです。

「重ねてになりますが、現在の特措法では、緊急事態が宣言された後でも、海外の事例のように強制的な外出禁止等が出来る仕組みになっていません。
 
 一方で、“感染拡大重大局面”を乗り切るには、都民や事業者の皆さんの協力が不可欠です。外出が心地良い季節となり、また、会社や学校では新入社員や新入学生を迎える新たなスタートを切る時期に、地域での活動やお子様の学校生活、職場での歓送迎会など、これまで当たり前のように行えていた生活に大きな制約が伴う状況が続きますが、手洗いや咳エチケット、不要不急の外出自粛など、一人ひとりが出来ることを確実に行うことが、一日も早く日常生活を取り戻すことにつながりますので、こうした取り組みを今すぐ実践していただきたいと思います」

話・東京都総務局総合防災部 防災管理課長(統括課長)芝崎晴彦氏
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