伊藤英明の凄み!『麒麟がくる』で”父殺し”の高政



 父・道三との折り合いは悪く、どんどん距離は広がって、母の死をきっかけに家督を譲るように道三に迫った。26日放送の第15回「道三、わが父に非(あら)ず」ではその対立が鮮明となり、”新しい血”も流れた。

 伊藤は、「高政は自分の出自に疑問を抱き、ジレンマと葛藤で気持ちが揺れ動きますが、高政は道三からの愛情がまっすぐに欲しかったのではないでしょうか。偉大すぎる父を持ち、そして世の中に、時代に翻弄されたんだと思います」。
 
 自身は道三ファン。それゆえに高政はあまり好きではなかったというが、演じて高政の印象は変わったそう。

「180度変わったと言ってもいいかもしれません。演じさせていただく役にはいつも愛情を持って演じたいと思っておりますが、今回の高政は父親殺しの汚名ばかりが先立って、彼の功績には目を向けた事がなかったのでなかなか好きにはなれませんでした。しかし、長良川の戦いで高政のもとに集まった兵力は1万7500に対し、道三には2700の兵しかなかったと言われています。道三への不満は、高政だけではなく、美濃は多くの国を敵に回していたのです。そして、道三を倒した後、高政は他国との関係を改善しようと尽力した様です」

 その道三を演じた本木については「 すごいです!」と、伊藤。

「すべてにおいて完璧です。所作、たたずまい、声の出しかた、カメラの方向とか、まばたきひとつ、呼吸ひとつ、ものすごく高いレベルで戦っていらっしゃるので、撮影中はものすごく緊張感がありますが、カットがかかった瞬間、ふっと柔らかくなるし、本木さんは道三そのものでしたね。これが俳優なんだ、これが役者なんだなと思って、ほれぼれしました」

 3日放送の第16回「大きな国」では、道三が高政を討つべく出陣する。明智光秀(長谷川博己)は国を二分する戦を回避しようと、尾張の織田信長(染谷将太)と帰蝶(川口春奈)のもとに向かう。懸命に訴える光秀に対して、帰蝶は……。

『麒麟がくる』は、毎週日曜、総合で午後8時、BSプレミアムで午後6時、BS4Kで午前9時。再放送もある。

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