【インタビュー】しみけんが語る独自の「仕事論」と新型コロナ禍における自分磨き

これまでの仕事から今後の目標まで多岐にわたって語ったしみけん

今の目標は“もしクイ”をどうやったら売り出せるかなってこと


 自らのYouTubeチャンネルである「しみけんチャンネル」で最近「男女の仲 研究所」なるものを立ち上げて「男女の仲 研究家」と名乗ると宣言していました。その配信で「AV男優という肩書だといろいろ制約が出る」といったことも言っていた。やはりAV以外の仕事をするにあたり、そういうことはまだある?
「感じますね。地上波で出演予定だったのに直前になってばらしになるということもあります。理由を聞くと共演者NGみたいなものですね。あとはスポンサーさんもNGだったこともあります。例えば食品系は結構ダメでしたね。僕がうんこを食うということを知っていたんでしょうね(笑)」

 
 しみけんはかつて大真面目に「うんこ味のカレー専門店」を期間限定で立ち上げたこともあるなど、そちら方面には造詣が深い。

 この「食品系NG」というのはしみけんさん限定の話かもしれませんね。
「かもしれないですね(笑)。女優さんは出ていますからね」

 男優さんも「セクシー男優」という肩書でなら問題ないのではとも思いますが…。
「セクシー女優というのは、あの子たちは事実、セクシーなので自然に受け入れられると思うんです。セクシー男優という場合、モデルさんみたいな体型で、ananの表紙を飾っちゃうような人のことを言うのなら分かりますけど、僕なんて普通のずんぐりむっくりした40歳の普通の男だから何がセクシーなんだろうって思うんです。見る側も違和感があるんでしょうね」

 こういうAV男優という肩書だと制約があるという風潮についてはどう思っています?
「僕はあってもいいと思います。この壁を感じている時に“あ、やっぱり自分は普通じゃない道を選んできたんだな。だからそういう考え方はずっと持っていないとダメだな”というふうにふんどしを締め直させられるので」

 人生を生きていく中でさまざまな壁にぶち当たってきたと思うのですが、むしろありがたい、くらいな気持ち?
「そうですね。スポーツ選手なんかはよく、壁にぶち当たると喜ぶみたいなことは言いますけど、それに近いかもしれないですね。壁ってアイデア次第で扉になる、というところもある。ドアを自分で作っちゃう、みたいな。そういうところはあります」

 
 しみけんは昨年、「P.P.P.TOKYO」というプロモーションでマネジャーとしてプロレスのリングに上がった。
「すごかったですね。プロレスラーの方々のことはめちゃくちゃリスペクトしています。あれは出て本当に良かったですね。なぜあんなことをやっても体が平気なのか。僕はあれから90年代の四天王が活躍していた全日本プロレスの試合を見るようになりました。リングに上がるということは全く考えていないですけど、見たいとか応援したいという気持ちはすごくあります」

 本職以外の仕事も増える中でこれまで会うことのなかった人とも会うようになる。そういったことを経験して、自分の生き方が変わってきたところはある?
「今は…好きなことや興味があることをやっていくということなので。突然、今、思いも付かないことに興味を持つかもしれないですから」

 では今一番興味を持っていることは?
「知識欲ですね。なので、このコロナの時期にクイズの本をずっと読んでいます。クイズの本を読んでいて、ひとつひらめいたことがあったんです。どうしても覚えられない答えというものがあって、その時に“女の子が読んでくれたら覚えられるかな?”と思って、ツイッターで“『もしもかわいい女の子がクイズを読み上げてくれたら、きっと僕はクイズ王になるだろう』という音声データを作りたいと思うから、クイズの問題を呼んでくれる方募集”ってつぶやいたら2分で160人の応募があったんです。すぐにツイートを消して、その160人の中から文章が丁寧だったり、本当にやる気があると思う人50人くらいに絞って、クイズの問題を送ったんです。それを録音してもらって、その録音データを僕が買い取る。1問読み上げたら50円。全く人を介さないけどクイズの音声データだけもらえる。それをネットショップのBASEで売り出したんです。これは新しいビジネスだと思ったんですけど、全く売れないですね(笑)」

 みんながまだ気づいていないだけなのでは?
「そうなのかな(笑)。今の僕の目標は“もしクイ”をどうやったら売り出せるかなってこと。それについて作家さんと考えています」
『AV男優しみけん仕事論0.01 極薄!』
【著者】しみけん【刊行】扶桑社【定価】本体1300円+税

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