【7月5日投開票】東京都知事選の争点を探る。

5月27日、宇都宮健児氏が出馬表明(写真:つのだよしお/アフロ)
 有事の時は現職が強いというのは選挙の常。それでは今回は現職の小池氏が有利かというと、2011年の石原氏とは状況が異なる。

 それは今回の東京がコロナ禍の当事者であるということ。

 震災時の石原氏の場合は東京自体の足元は盤石な中、被災地への支援を行うという、いわば東京都民から批判や批難を受ける立場ではなかった。

 小池氏は政府による緊急事態宣言が発令される前から、神奈川、埼玉、千葉、山梨各県の知事との共同メッセージを取りまとめるなどリーダーシップを発揮。緊急事態宣言後も、休業要請に慎重な姿勢を見せる西村康稔経済再生担当相に対して早期の決断を迫るなど、感染拡大の防止に積極的な動きを見せた。こういったコロナへの対処がそのまま再選へのアピールとなるという見方もある一方で、裏返せば失敗すれば正反対の効果を生み出すことになる。石原氏のケースとは真逆のハイリターンではあるがハイリスクな状況なのだ。