【新型コロナウイルスとスポーツ】実況の声が選手に筒抜け。オリックスは同一カード6連敗

6月19日。観客が誰もいない東京ドーム(写真:AP/アフロ)
 新型コロナウイルスの感染拡大により開幕が延期されていたプロ野球が6月19日に約3カ月遅れでスタートした。

 今シーズンはセ・パともに当初の143試合から120試合に試合を減らし行われる。交流戦とオールスター戦は中止となり、クライマックス・シリーズはパがシーズン1位と2位のチームの間で行われ、セは開催を断念した。

 また延長戦は10回で打ち切りとなり、出場選手登録は29人から31人、ベンチ入りは25人から26人に拡大されるなど選手の負担軽減のための特別ルールが採用された。外国人選手の出場選手登録枠も4人から5人に増えるが、ベンチ入りできるのは4人のままとなった。

 試合は当初、無観客試合で行われたが、政府は7月6日に行われた「新型コロナウイルス感染症対策分科会」の初会合で10日に予定していたイベント開催の制限を緩和することで一致。同日行われたプロ野球とJリーグの「対策連絡会議」でも10日から5000人を上限に観客を入れて試合を開催することを確認。晴れてファンの前でのプレーが実現することとなった。

 日本野球機構(NPB)は6月17日に感染予防策をまとめたガイドラインを発表。そのなかでプレーにおいては選手はハイタッチや握手を控え、グラウンドにつばを吐く行為は禁止された。選手ら関係者に感染者が出た場合の対応についてはNPBは明確な指針は決めず、当日の試合続行の可否は、残りの選手で試合ができるかで決める。それ以降の試合運営は臨時実行委員会で協議することとなった。

 試合日程も新型コロナへの感染防止の観点から移動を少なくするためにセは東西での集中開催、パは同一カード6連戦が中心となる異例のものとなった。通常は3連戦が普通で3連敗(3タテ)しても次は別のチームとの対戦のため、悪い流れは取りあえずは断ち切れるのだが6連戦だとそのままずるずるいくこともありえる。そんな懸念が開幕前から評論家はもちろん、ファンの間でもささやかれていたのだが、オリックスが6月23日からのロッテとの6連戦で6連敗を喫するなど悪い予感は早くも的中。

 また6月21日のヤクルトvs中日戦ではネット裏の放送席の実況の声がグラウンドの選手に聞こえてしまうという無観客試合ならではの珍事もあった。
1 2>>>