被災地でいま深刻な「臭い」問題。大分の温泉街で「悪臭バスターズ」結成

除菌・消臭作業の様子。換気の悪いバックヤードなどでは特に臭いが強いという
活動する社員「地元を助けたい」

 現場で作業するのは日田市に本社を置くOTOGINOの従業員。住宅や公民館、旅館、お土産店、飲食店など困っている場所に無償で駆けつけ、床や天井、壁の除菌・消臭作業を行う。作業だけでなく、使用する機材や次亜塩素酸水もすべてOTOGINOが負担。消臭作業は専門知識やスピード感も大事だと、行政や既存のボランティア団体に依存しない形をとった。こうしたボランティア活動は初めてだというが、これまでさまざまな企業や行政機関に導入したノウハウを生かし、臭いの強さによって散布機を使ったり、超音波加湿器を使ったりして工夫している。

 「社員の8割は日田市の住民。地元を助けたいという思いが強いですね」と語るのは法人営業部の宮崎史人さん。社としてのボランティアのため勤務時間内の活動にはなるが、要請に応じて週3日ほど2~5名体制で活動し、これまでに19軒の作業を完了させた。「川沿いの温泉街は建物の配置上、片面にしか陽が当たらない場所が多いので、奥のバックヤードほど大変ですね」と作業の苦労も語った。