松井玲奈が初めての一人舞台で癖の強い女教授を熱演

演劇の演出助手の女を演じた清水宏

清水宏は新型コロナ禍での演劇界を鋭く描写


 清水の演目は新型コロナに翻弄される劇団の演出助手の女の演劇への愛と葛藤を描いた『拝啓あこがれの演劇さま』。

 多分、今年の2~3月以降に各劇団内であったであろう公演を行うべきか中止すべきかというやりとりを演助の立場から描写。その過程で炙り出される演劇への愛、自分と仲間との間にあった演劇への温度差、それからもたらされる葛藤などが描かれる。

 作中、随所に演劇への愛を感じさせつつも、スタンダップコメディアンとしての顔も持つ清水は時に厳しく、そして鋭く本質を突いた言葉で演劇と演劇界を責め立てる。序盤の強いコメディー色から終盤、一気にシニカルな展開になだれ込むさまは清水ならではの狂気を感じさせた。

 清水は上演後、主催者を通じて「お客さんにまた劇場に来てもらうことと、オンラインで演劇に何ができるのか。二つの宿題の新しい答えを探すDISTANCE。参加できて嬉しいです。色々な演劇の姿を見て欲しいです」とコメントした。

 今回の公演は11日までの東京公演後は「他の地域の劇場再開」という目標のもと、北九州・豊橋・札幌の3都市ツアーを実施。DISTANCEチームの情報共有を目的に3都市ではワークショップも開催される。
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