日本で唯一のそうめん研究家!「ソーメン二郎」が語るそうめんの魅力

写真左より三輪そうめん「糸依」「白髪」(三輪山本)、半田そうめん「手延半田めん」(小野製麺)、小豆島そうめん「はるゆたか」(協栄岡野)
 現在では店頭にさまざまな種類のそうめんが並んでいますが、違いを教えてください。

「そうめんには〈そうめん〉と表記した大量生産できる機械式の麺と、職人さんが人力で小麦粉をこねて細く延ばして熟成させる〈手延べそうめん〉の2種類があります。手延べのほうが手間暇をかけて作られ、小麦粉の質が良くコシがあってのどごしも良いので、僕はいつも手延べそうめんを食べています。よく言われるそうめんと冷麦の違いですが、JAS規格(農・林・水・畜産物およびその加工品の品質保証の規格)によると太さが1.3mm未満を『そうめん』、1.3mm以上〜1.7mm未満を『冷麦』と規定しています。手延べそうめんはこの規定に当てはまらないので、半田そうめんのように太さが1.7mm未満の麺も存在しています。

 手延べそうめんの中でもっともポピュラーなのは、兵庫県『播州そうめん』のブランド『揖保乃糸』でしょう。スーパーやコンビニエンスストア、百貨店などどこでも手に入りますが、どうしてかというと約430の製麺所からなる協同組合で製造しているので生産量が一番多いんです。播州そうめんは600年の歴史がありますが、1200年の歴史を誇りそうめんの発祥でもある奈良県『三輪そうめん』、ブランド『島の光』で知られる香川県『小豆島そうめん』が日本三大そうめんと言われています。そこに長崎県『島原そうめん』、徳島県『半田そうめん』を加えると五大そうめんです。

 ほかにも秋田県『稲庭そうめん』、富山県『大門そうめん』、佐賀県『神崎そうめん』、熊本県『南関そうめん』などそうめんの名産地は全国に15カ所ほどあります。そうめんは小麦粉と水と油と塩でできていますが、三輪そうめんは極細でコシがある、小豆島そうめんはごま油を使う、半田そうめんは冷麦のように太いなど、食べ比べるとそれぞれの地域で味や個性がまったく違います」

撮影協力:素麺屋 糸 歌舞伎町本店

(「そうめん研究家『ソーメン二郎』直伝! 本当においしいそうめんは?」に続く)

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