バーチャルで茶碗を拝見!?世界初「VR茶席」をオンライン茶会で体験

オンラインで岡田宗凱さんによる薄茶点前に参加できる
 そして、都内の茶室で薄茶点前がスタート。着物姿の女性が席入りし、床の間を拝見する。今回の茶花は、フラワーボックスで知られるニコライ バーグマン フラワーズ&デザインが設えた艶やかなアレンジメント。通常、床の間に洋花を飾るのは御法度だそうだが、新しい茶の湯を表現するためにあえてコラボレーションしたのだとか。その後、茶菓子が振る舞われるタイミングで手元の羊羹を食べる。今回のために特別に作られた茶菓子は、透き通った琥珀羹の中に菊の花をかたどった羊羹が閉じ込められ「菊の節句」らしい一品。岡田さんが薄茶を点てる所作を見ながら、茶筅を使って手元の抹茶を点てる。自宅でzoomを見ながらできるので、初心者にとっては一般的な茶会より敷居が低い。亭主のもとに茶碗が帰ったところでひととおりの流れが終わった。

 お点前の後に、改めて岡田さんから詳細を解説。茶花は円形のアレンジメントが2台自立し、丸の形は陽を意味することから「重陽」を表現している。ピンクッション、ラン、シンビジューム、アジサイやヒオウギ、リンゴなどの花や実もの約20種類、1000本程度の花を使ったものだという。ここで、ついに手元のVRゴーグルで、VR「仮想茶器」による茶碗と茶杓の拝見が行われた。茶碗は菱田賢治作「金彩青磁茶碗」、茶杓はアクリル製の俵藤ひでと作「隠逸」で、アップにしたり回してみたりしながらじっくり拝見できる。「お茶の道具は取り合わせといって、なぜその道具を今日使ったのかがとても大事です。茶碗は華やかなお祝いのイメージで金の入ったもの、一方の茶杓は菊の異名を『隠逸花』といい、暗闇でも香りでそこに菊が存在するという意味合いなので、あえて黒い茶杓と糸のような模様で香りをイメージしました」と岡田さん。

 いったんVRゴーグルを外し、その他の道具についてzoomで説明。薄茶器は江戸時代の器に後から菊の意匠の蓋を合わせ、逆三角形の水差し、七宝柄の透かし模様が入った風炉、鐶付にウサギの意匠が入った釜など、どれも風情のあるものだ。再度、VR「茶室全景」による茶室探検ツアーが行われ、築100年の古民家をリノベーションしたという凱風軒の庭、玄関、待合室、廊下、茶室を見学。最後の質疑応答では茶花や道具について熱心な質問が相次ぎ、この会にさまざまな人が参加していることを実感、初心者にとっては聞いているだけでとても勉強になった。

 これまで通りの茶会やお稽古ができなくなってしまった人はもちろん、これを機会に茶道の世界に足を踏み入れたいという人にもぴったりなオンライン茶会。「茶空会 sakue」は今後も定期的にオンライン茶会を開催するといい、新たな世界を広げたい人はぜひご注目を。

>>次ページはVR「仮想茶器」で見る茶碗と茶杓のスクリーンショット
「世界茶会」主宰の岡田宗凱さん(表千家)