エンタメ業界における“ニューノーマル”とは? BEYONDコロナに向けた次世代エンターテインメント

高木美香氏×山中昭人氏


 2019年にオリンピック・パラリンピック公認プログラムとしてスタートし、今年は内閣府認定事業として展開する「BEYOND 2020 NEXT FORUM」。今回はエンターテインメント業界に焦点を当て「BEYONDコロナに向けた次世代エンターテインメント」と題して、新型コロナウイルスの感染拡大による業界の変容および展望について、経済産業省商務情報政策局コンテンツ産業課長の高木美香氏、エイベックス・エンタテインメント株式会社取締役・ライヴ事業本部長の山中昭人氏に聞いた。(聞き手:一木広治)
エイベックス・エンタテインメント株式会社取締役・ライヴ事業本部長 山中昭人氏
一木広治(以下、一木)「経済産業省としてのBEYONDコロナ、WITHコロナにおけるエンターテインメント業界へのサポート施策はどのようなものがありますか」

高木美香(以下、高木)「LIVE・エンターテインメント業界は厳しい状況にありまして、今も無観客や入場制限などがある中で採算が取れないという状況に陥っています。経済産業省としては、再開支援策として“J-LODlive”という施策を行っています。もともとコンテンツ業界向けの補助金として、日本のコンテンツを海外へ出すことを推進するものがありましたが、現在は海外に行くことができないので、国内でやる場合も対象にしようと。コロナを理由に中止・延期をした公演回数の範囲内で、新しく行う際に申請していただいて、上限はありますが、開催費用の半額を補助しています。現在、音楽や演劇、伝統芸能の公演も含めてカバーしておりまして、総額878億円の補正予算で4割ほどの案件が採択済みです」

一木「リアルな場でのLIVE活動が延期・中止を余儀なくされましたが、エイベックスグループとしての対応はいかがでしたか」

山中昭人(以下、山中)「弊社も2月末から公演が延期・中止という形でストップしています。まさかここまで長引くとは予想していませんでした。当初は夏頃には復活できるだろうという予測を立てていたので、早め早めの対応をして、できる限りお客様にご迷惑がかからず、アーティストに負担がかからないようにという対応がメインでした。ただ、緊急事態宣言が出たタイミングで、これは長引くだろう、生活様式が大きく変わるだろうと。そこからは、徐々にアフターコロナに向けて、どういった時代になっていくのか、特に多感な若者が学校に行けないとか、オンラインで授業をすることがスタンダードになったときに、エンターテインメントのあり方も変わるんだろうなと。今はそこに向けて、どんなことが準備できるかという方向に着目して動いています」

一木「BEYONDコロナに向けた取り組みは始まっているのですか」

山中「お客様の心理として、人が多く集まる所に行くことが嫌になるかもしれないし、不景気がやってきてエンターテインメントに使うお金が減ってくるかもしれないなどのネガティブな要素を予想した場合、コロナ前のアーティスト自身の持っている市場だけでビジネスをしようとしても、客単価が落ちる以上どうしても売上は落ちてしまう。音楽がCDからサブスクリプションへ変わって、一人当たりのお客様からいただける金額が落ちてきたように、リアルなLIVEでもそうした時代がやってくる可能性はあるのかなと。ですので、今後はアーティストが積極的に新たなお客さんを獲得して、市場を広げた上で、客単価が落ちても売り上げ規模を上げていくという仕組みをいち早く提案しなくちゃいけないと考えています。今だからこそ本当の意味で“海外に刺さるエンターテインメントとは何か”を考えていくことも必要だとも感じています。実際にJ-LODliveを活用させていただいていて、これがあるから僕らは動けています。チャンスをいただいたからこそ、それを活用してアフターコロナに向けてどのように日本のコンテンツを海外に提案していくか、その目標に向かって模索しているところです」
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