都医師会、感染拡大に強い警戒感「ひとつの正念場」「第1波、第2波超えている」

都のモニタリング会議のデータを示す猪口正孝副会長
 猪口正孝副会長は、都のモニタリング会議のデータを示し「先週(2日)のデータでは、新規陽性者が400人を超えてずっと右肩上がりで、都民の方は第1波、第2波を超えているとしっかり認識していただきたい。新規陽性者の中でも65歳以上、75歳以上の感染者が急速に増えており、我々の入院医療体制に対して負荷がかかります。重症化率のほかに入院期間が長くなるので、今回は高齢者が感染していることが非常に大きな問題になっている。

 また、クラスターに左右されない市中感染、感染の潜在的な広がりを表現する接触歴等不明者数が増えてきている。増加率が100%近辺ということは、このままの感染者数が続くということで、これが50%以下に下がるようにぜひご協力をお願いしたい。入院患者数も2日時点では1629人だが、今日現在で1850人を超えており、たった4日間で200人も増えるのは今までにない増加。入院患者の入院期間は長く、宿泊療養は早く退所する傾向で、ここにきて入院患者数は増えているのに、宿泊療養の患者数があまり増えないという状況にあります。

 新規陽性者が100人いれば1人は重症になると言われている。重症化は6〜7日間遅れてくるので、このまま500人という高い水準で新規陽性者が報告され、しばらくしてから重症患者数が増えると何が起こるか。東京都が用意している中等症の病床数は2800床で、(現在の入院患者数で)ほぼ70%まで占有してきました。このまま(入院患者数が)増え続けると、ベット数があっても調整できないという事態が起きてきます。東京都としてはレベル4で4000床まで増やす計画にあるが、3000床を超えてベット数を拡張しても、一般の医療を圧迫する形になるのでかなり問題が出てくる。スピード感や病院を見つける難しさなどが、印象としては第1波に似てきており、いろいろな安全弁を作っているが、一つひとつ乗り超えられているような嫌な印象がある」と、強い警戒感を示した。

 その後も角田徹副会長が改めてマスク・手洗い・3密の回避・換気の徹底と、情報弱者と呼ばれる外国人などへの情報提供と医療へのアクセスの確保、病院医療を守るために正確な情報を得て適切な受療行動をとることを呼びかけ、年末年始の診療・検査体制の確保支援事業を行うことを報告した。