都医師会・尾﨑会長「この3週間がラストチャンス」政府にも「ぜひ真剣に考えて」【冒頭全文】

 公益社団法人東京都医師会は22日に緊急記者会見を行い、尾﨑治夫会長は年末年始を「真剣勝負の3週間」と位置づけてさらなる感染防止を訴え、政府にも「どうしたら今の感染を抑えることができるか真剣に考えて」と注文をつけた。以下、尾﨑会長の冒頭の発言を全文掲載する。
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東京都医師会の尾﨑治夫会長(12月8日撮影)
尾﨑治夫(以下、尾﨑)「『緊急記者会見』ということで記者会見をさせていただきます。なぜ『緊急』かといえば、(政府が呼びかけた)勝負の3週間が過ぎましたが、今日も563名の新規感染者が出ております。先週の火曜(15日、460人)と比べると100人増えております。先週の木曜以降も、前の週に比べるとずっとこのように毎日100人近く増えているということで、感染者の増加が止まる気配はありません。年末年始にかけて、医療体制もある意味で手薄になるこの3週間が、私どもにとっても皆様方にとっても大切な3週間ではないかと思いまして、ぜひ私どもの思いを訴えたいということで開かせていただきました」

 尾﨑会長はまず、若い世代に感染予防の徹底を呼びかけた。

尾﨑「勝負の3週間は過ぎましたけれども、真剣に勝負したい、その3週間にしたいということで『真剣勝負の3週間』と言わせていただきます。社会は皆つながっているんです。若い方も、高齢者もつながっているんです。そこをもう一度考えていただきたいと思っています。昨日も(政府)分科会の尾身(茂)さんが言っていましたけれども、行動の活発な20〜50代の方が飲食を通じて感染を起こし、それが家庭内、(高齢者)施設内に広がっていく。これは事実だろうと思っています。

『高齢者だって動き回っているじゃないか』というような批判も受けますけれども、現実的にどの年代の方が感染しているかということを見れば、やはり20〜50代の方が多いのでありまして、ここの流れを何とか食い止めたいんです。若い方にもそれぞれお父さん、お母さんがいます。お祖父さん、お祖母さんもいると思います。その人たちがもし感染者になれば、やはり命にかかわることも出てまいります。若い方の後遺症の心配も僕はしていますけども、命は失わないとしても、つながりのある人がそういう状態になるということを、ぜひ考えていただきたいと思っています。

 Facebookの記事ですが、この間、アメリカで診療しているドクターが実例を挙げていました。息子さんがコロナにかかった。家庭内に持ち込んでお母さんもコロナにかかってしまった。息子さんは若い世代なので幸いなことに軽症で済んだけれども、お母さんは重症化して亡くなられた。こういうケースが今後、特に東京ではどんどん出てくる可能性があるので、ぜひそういう意味でも20〜50代の方に注意をしていただきたいと思っております」
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