車いすバスケットボール 香西宏昭「車いすバスケ界のエースが 競技20年で気づいたこと」

車いすバスケの未来


 Bリーグ発足からまもなく6年、地域に根付き、着実にファンを増やしているバスケ界を見て思うこともあった。


「国内でも車いすバスケのリーグ戦ができればいいなと思いました。やっぱり試合したいですね、選手としては。今は天皇杯や地方大会があるほどですが、選手強化の面でも、ファンの人を獲得する面でも、見てもらえる機会を増やすことが必要だと思います。ディビジョン制を取り入れて目標を明確にするのもいいと思うんです。トップを目指す人、健康のためにプレーする人、それぞれあっていいので、選手が選択できる環境を作っていくことが大事かなと思います」


 東京オリンピック・パラリンピックを巡っては、開催に消極的な意見や選手のスポンサー契約打ち切りなど、現在アスリートが置かれている状況は決して楽でない。そうした中でも香西はSNSやブログで発信を続ける。改めてパラスポーツの役割を聞いた。


「オリンピックとパラリンピックどちらも“限界を目指す”という点では重なる部分がありますが、パラリンピックには“背景の違い”みたいなものがあると思っています。たとえば、ロンドン大会のCMでは、戦闘地で爆撃を受けてけがをした人や、生まれつきの人、病気の人、事故の人、いろいろな背景のある人が出てきて、“人間には可能性がある”というメッセージでした。僕はこの身体が生まれつきなので“足がないのに頑張っている”と言われることに違和感があるんです。純粋に人間ってこんなにできるんだよっていうのを見せたい。いろいろな障害を持つ人たちがどんなふうに活躍しているのかを見てもらうのは日本にとって必要なことだと思うんです。自分も留学して視野が大きく広がったので、可能性を知るという意味で、大切な機会だと思います」


(TOKYO HEADLINE・丸山裕理)



【香西宏昭】1988年生まれ、千葉県出身。先天性両下肢欠損(膝上)。2000年、12歳の時に車いすバスケットボールに出会う。高校卒業後単身アメリカに渡り、2年半英語を勉強したのち、2010年、イリノイ大学に編入。全米大学リーグのシーズンMVPを2年連続で受賞し、キャプテンとしてもチームを牽引。2013年からプロ車いすバスケットボールプレーヤーとして、ドイツ1部リーグで6シーズン活躍する。
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