長谷川博己「明智光秀を生きた18カ月は一生の宝物」



 これまでにない光秀像を描いてきた。反逆者のイメージでしかなかった光秀だが、本作で光秀の印象は大きく変わった。

「明智光秀は、孔子の言う、義の人であったと思います。それは光秀を演じる上で、最後まで一貫して崩してはならないと思っておりました。世のため、民のため、平らかな世を目指し貫き通した男だと思います」

 信長の印象も変わった。

「今作での信長は、承認欲求への激しさや両親や兄弟との確執など、どこか人間臭さがあります。人間の持つ負の要素に共感しやすいと思えました。そういう意味でも、どこか現代人に通じるものがありましたし、視聴者のみなさんが投影しやすいところがあったのではないかと思います」

 最終回では「本能寺の変」が描かれる。

 信長(染谷将太)は、光秀と縁深い四国の長宗我部征伐に相談もなしに乗り出すと告げる。「戦の度に変わってしまった」と行き過ぎた態度をいさめる光秀に、「己を変えたのは戦ではなく光秀自身だ」と信長は冷たく言い放つ。そして、ある究極の命令を光秀に突き付ける。

 長谷川は「みなさんが期待してくださっている、本能寺の変が描かれます。この作品の中で新しい明智光秀を描いてきましたが、本能寺の変に関してもこれまでにない新しいものになるのではないでしょうか。なぜ、光秀は 本能寺の変に至ったのか。見てくださる皆様に、その心の機微を感じ取っていただけたらうれしいです」と話している。

『麒麟がくる』は最終回は、8日、NHK総合で午後8時、BSプレミアム午後5時45分、BS4Kで午前9時。再放送もある。