橋本聖子新会長が「女性理事40%」「東京モデル」など目標掲げる

会見で質問に答える橋本新会長

森氏については「ただしていくものと継承するものをしっかり区別をしてやっていきたい」


 橋本氏は7年前にセクハラ報道があり、今回の森氏の辞任の経緯もあり、その資質を疑問視する世論の声もあったが、橋本氏は「私自身の軽率な行動については深く反省している。7年前にそういった一連の問題があったが、そのことについては、その当時も今も深く反省している。その経緯を自分自身に受け止めながら、会長職を全うすることで、多様性、男女平等、あらゆる問題に対して、オリンピックの原則、オリンピックムーブメント、そういったことを身をもって着実に進めていくことが皆様方にご理解をいただけることになるかと思う。非常に厳しい声というものは受け止めている。そういったことを一つひとつ解決していくには自分自身が襟を正して、東京大会がどういう位置づけであって、ジェンダーをはじめとする多様性の調和をどのように新たな改革の中で組織委として世界に打ち出すことができるかということにすべてがかかっていると思う。私自身、身を賭してこの場に来た。全力でその問題の解決に自ら進んでやっていきたい」と語った。


 また橋本氏は自民党では清和会に所属し、森氏は政治における師でもあることから、森氏の院政を不安視する声もあるが「長年にわたり、ラグビーW杯、サッカW杯、オリンピック・パラリンピックの招致活動を含め、スポーツ界に尽力いただいた先生。そういった経験や実績というものは私がアドバイスをいただかなければいけない局面もあるだろうと思っている。一連の状況と同時に、今までの森会長の経験と実績を私自身が前向きにとらえて前に進める原動力にすることが、私自身の会長としての役割だと思っている。ただしていくべきものと継承するものといろいろあると思うが、しっかりと区別をしてやっていきたい」などと話した。


 森氏の発言については「早急な対応が必要だと思っている。組織委での女性の比率を40%にする。そして多様性と調和を打ち出して、タスクフォースなどを立ち上げるなどしてIOCやIPCにも提言させていただく。そういった多くの皆様にご理解いただけるような改革を早急にやらせていただきたい」とした。また「政治の師である森会長に私は“あってはいけない発言である”と明確に申し上げた。それを受けて森会長も反省した。それをこれからに生かしていかないといけないと思っている。なぜそのような発言をされたのか。そしてその背景は。これは森会長だけでなく、しっかりとすべてのことを検証して、なぜそういうことになったのかということを、多くの国民の皆さん、特に署名をしていただいている皆さんが納得をしていないことだと思っているので、そのことも含めて会長としてそういったことが二度と起こらないためにどう対策をしていくのか。これを明確に行動に移していかないといけないと思っている」と語った。