高良健吾「何者でもない青年の成長、見せたい」<青天を衝け>

 


 大河ドラマへの出演は2作目。前回は『花燃ゆ』では高杉晋作を演じた。


「大河ドラマというのは長丁場。長い時間をかけて、ひとつの役を演じられるのが魅力です」と、高良。「最初に登場した瞬間から“偉人そのもの”ではないと思うんです。例えば、『花燃ゆ』だったら高杉、今回だったら喜作ですが、登場した瞬間からその人ではなくて、だんだん、みんなが知っている、自分が知っている、そして自分が思う“そのもの”に成長していくのを楽しんでいます」


 再び、大河ドラマで、幕末の人物を演じることになった。


「幕末の人間を演じたことがあるから思うんですけど、当時は、自分で決めたこと、信念を最後まで信じて行動することの美学であったり、それに対する潔さやかっこよさがあって、若くして命を落とす人が多かったと思います。栄一は、どうすればこの国は良くなるか、誰のため何のためになるのか、先の先の先を見ていたところに惹かれます。そんな栄一の側にいたから喜作は生き延びていると思うんですよね」


 真っ直ぐで素直でかわいい、国を思う少年たちのストーリーはもうしばらく描かれる。


「自分が何をしゃべっても行動しても何も変わらないと思う人は多いと思いますが、このドラマに出てくる人たちは、今ほど情報もないし情報交換もできないのに、日本中の真ん中じゃないいろんなところから、この国のためを思い変えようとして行動をしました。栄一たちのような若者が国を思って行動する幕末を描くこのドラマは、現代の方にとっても励みになる気がします」


『青天を衝け』は、日本資本主義の父と称される渋沢栄一の生涯を描く。農民の家に生まれながら、幕臣となり、その後は明治新政府に仕官。その後、実業家に転じ、近代日本のあるべき姿を追い続けた。吉沢亮が主演する。


 毎週日曜、NHK総合で20時~。BSプレミアム・BS4Kで18時~。再放送土曜13時~。