震災発生からの膨大な取材データから問いかける 「あのとき」と「これから」〈特別企画「震災と未来」展 ―東日本大震災10年 ―〉

NHK「震災と未来」展企画スタッフ代表・代田一貴氏

 その黒い水をとらえた映像をはじめ、多くの報道映像が世界中に衝撃を与えた。

「展示の中に、NHK記者が記した当時の取材メモを展示してあります。基本的に取材メモは公開しないものなのですが、今回は特別に記者数名に実物を借りて一部展示しています。自分に何が出来るのかと自問しながら、とにかく目の前の事実をきちんと伝えなければという、当時の記者たちの様子が生々しく伝わります。記者たちがどのように現場と向き合ったか、その一端を垣間見ていただけると思います。今回、記者をはじめ、NHKのさまざまな部署や関係各所に協力を仰いだのですが、全員が熱心に素材やアイデアを提供してくれました。報道に携わる者としてそれぞれが自分の中に震災への思いをずっと持ち続け、今回その思いを展覧会につなげてくれたのではないかと思います。

 他にも〈ZONE2〉では震災に負けずに頑張る人たち、それを応援する人たちの姿に触れ、〈ZONE3〉では、災害時に迫られるさまざまな選択を仮想空間で体験する企画などを通して震災の教訓を未来へつなげることができます。

 当時何が起きたかを知り、そこで生まれた多くの問いに自分だったらと考えることによって、あの震災、そしてこれから起きるかもしれない震災を多くの方に“自分事”として考えていただけたらと思います」

特別企画「震災と未来」展 ―東日本大震災10年― 

【期間】3月6日(土)~3月28日(日)※9日(火)、16日(火)は休館
【入場料】入場無料・事前予約制 ※事前予約の方法は公式サイトを確認
【時間】10~17時(※最終入場は16時30分)
【場所】日本科学未来館
【アクセス】新交通ゆりかもめ テレコムセンター駅より徒歩約4分
【TEL】ハローダイヤル 03-5777-8600(8~22時・無休)
【URL】https://www.nhk.or.jp/event/art2020/
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