「K-POPにできて日本にできないとは思わない」エイベックスが海外大手と提携し世界を目指す

 


―4月から始動するAEGX。今後の展開は。


山中「今は、コロナ禍でコンサートの開催にも規制がかかっており、海外アーティストを招へいするにも入国規制があるなど、具体的な活動は難しい状況です。ただ、ワクチンができてコロナ収束の希望も出てきたということで、そこに向けて準備を進めています。海外のアーティストを日本に招へいすることはもちろん、AEG Presentsとの協力で日本のアーティストのワールドツアーを企画したり、日本のアーティストの海外挑戦への足がかりをどんどん作っていくつもりです。グローバルな活動をアーティストに提案できる組織になるということを目標としていきます。


 コロナ以前に、エド・シーランのコンサートでONE OK ROCKさんをゲストアーティストに呼ぶという企画を行った事がありました。その後、今度はONE OK ROCKさんのコンサートに来日していたエドが出演するなど、点で終わらない交流が生まれました。もちろんアーティスト同士の共感にもよりますが、あくまでもこちらのエゴにならないようにアーティストやファンが望む形で、このような国際的なつながりの場をもっと作っていけたらと思います」


ウィルクス「あれはいい事例でしたね。あのコラボを機に、お互いにお互いのファンをつけたというか認知度もさらに上がりましたし、その後も一緒に曲作りをしたり新たな展開も生まれました。相互に非常にメリットのあるコラボだったと思います。もっと、日本人アーティストと海外アーティストとの面白いコラボはできると思いますし、そこにAEGのノウハウやリソースを生かせると思います。


 もちろん私たちのネットワークを使い、フェスのブッキングや海外で日本人アーティストのツアーを企画することもできます。その一方で、日本における洋楽アーティストのコンサートでは、かつては国内複数都市で行われていたものが近年では東京近郊に集中したり、できても東京大阪の2都市での開催となるケースが増えているので、そこをエイベックスの協力のもと、再び複数都市でのツアーができないかと期待しています。


 今、世界中の音楽ファンが音楽の復活を願っています。早くコロナが収束し、自分たちの好きなアーティストが再びステージの上でパフォーマンスする姿を見たいと思っているでしょう。AEGXの一員として、きっとその日は近いとお伝えしたいと思います」