〈インタビュー〉青木真也の思う自らの強さの秘密「限りがあること、自分の手持ちの武器、自分の弱さを知っていること」【4・29 ONE】

 アジア最大級の格闘技団体「ONE Championship」は4月7日から4週にわたり米国のTNT(ターナー・ネットワーク・テレビジョン)とジョイントした「ONE on TNT」シリーズを開催している。

 そのトリとなる「ONE on TNT 4」(4月29日午前9時30分)では日本の青木真也(Evolve MMA)がエドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)と対戦する。試合を直前に控えた青木に話を聞いた。

「ONE on TNT 4」でエドゥアルド・フォラヤンと対戦する青木真也(©ONE Championship)

4月29日の「ONE on TNT 4」でエドゥアルド・フォラヤンと3度目の対戦

 青木は当初、セージ・ノースカットと対戦の予定だったが、ノースカットが新型コロナウイルス感染症の治癒後の後遺症により欠場。フォラヤンと対戦予定だった日本の秋山成勲もケガで欠場となったことから青木とフォラヤンが対戦することとなった。2人はこれまで2度対戦。2016年の初対戦ではONE世界ライト級王者の青木が挑戦を受け3RTKO負け。2度目の対戦は2019年3月、ONEの初の日本大会のメインイベントで実現し、青木が1Rに肩固めでフォラヤンを失神させ雪辱を果たした。今回の対戦相手変更について青木はSNSや煽り映像などで「仕事だからやる」と明快に語っている。

 

--そもそも格闘技を「仕事」ときっちり認識してやり始めたのはいつから?

「僕の場合はずっとです」

--公言するようになったのは?

「DREAMのころから言っていたと思います」

--日本の格闘技界ではそういう言い方をする選手はなかなかいません。

「ネガティブなとらわれ方をすることが多いですからね」

--それはお金のような生々しい話をすると日本ではファンが引くという発想が選手たちの中にあるんでしょうか?

「それはイベント側がコントロールしやすいようにしているだけです。お金のことを言い始めると面倒くさいので、言わないようにさせているだけだと思います。それに日本の教育がそもそもそういうものじゃないかって話になりますよね。でも僕は常に本当のことを言い続けたいというスタンスでいるので」

--そういった本音にアレルギーを示す人もいないわけではないですが、最近はそういった青木選手の本音の言葉が世間に届き始めているように思えます。自身にそういった感触は?

「伝わりやすくなっているというか、受け入れられているようなところはあります」

--徐々にシンパシーを感じている人が増えているとは感じる?

「まあ、そこにしか作っていないというか、そこにだけやっているというのはありますけどね」

--例えばプロレスラーでいえば藤原喜明選手が「仕事だから」というと妙に納得するところはあります。青木選手自身がベテランの域に達し、職人的な存在になっていることで「仕事」という言葉もすんなり受け入れられるようになったとも?

「ベテランだからこそみたいなところもあるのかもしれないなと思いますけどね」

--実績に裏打ちされた?

「実績というか、考えているからこそみたいなところはあると思っていて。でもようやく伝わって来たかなとは思いますけど」

--実績というより経験?

「歴史ですかね」

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