東京五輪の観客上限の決定は6月。橋本会長は「無観客も覚悟」

組織委の橋本聖子会長(Photo by Tokyo 2020)

フルスタジアムということは難しいということは理解している

 五者協議の後には橋本氏の会見が行われたが、五者協議が長引いたこともあり、当初の開始予定から約50分遅れての開始となった。

 橋本氏は会見で「プレイブックについては今年2月に公表したプレイブックに盛り込まれたコロナ対策については、その後、さらなる検討を重ねるとともに、新たな変異株の出現といった感染拡大の変化に対応するため大幅に更新を行い、安全で安心な大会開催実現のため、すべての大会関係者が日本滞在中に順守すべきルールを具体化、精緻化を行ってきた」と話し、前出の合意事項を述べた。

 また観客の上限についても「変異株の国内感染の状況も踏まえ、観客数にかかる判断は6月に国内のスポーツイベント等における上限規制に準じることを基本に行うことに合意した」と語った。そして国内の感染拡大の状況を踏まえ「ぎりぎりの判断として、無観客という覚悟は持っているが、状況が許せば、より多くの観客に見てほしいという希望も持っていることを伝えたい」と話したが「医療に支障をきたしてはいけないし、すべての皆さんの健康をしっかり守るということが大前提。安心安全最優先の東京大会を開催するためには、その状況を見ながら考えていかないといけないと思っている。現段階でフルスタジアムということは難しいということは理解している」とも話した。

 判断時期が6月になると、政府がイベントの観客上限を「5000人か、定員の50%以内の大きいほうを上限とする措置」を6月まで延長したことから観客が会場の51%以上になることは事実上不可能になる。橋本氏は「政府の決定事項に準じていかないといけないと考えている。全国各地から大会を観戦しに来る観客の皆さんの準備もあると思うので、組織委としては6月の早い段階、できれば5月にでも決めていくべきではないかとも思っている。それも政府、東京都、IOC、IPCと緊密な連携のもとで決定していかなければいけない」との見解を示した。