FC今治オーナー岡田武史氏、オンラインイベントで本音「コロナ禍でお金に換算できない豊かさが大切と気づき始めた」

パネリストの佐瀬真人氏(デロイト トーマツ コンサルティング代表執行役社長)

 今回のキーワードでもある“デジタルと人間らしさの融合”について、佐瀬氏は「スポーツの例で言えば、いかにファンの皆様に楽しんでいただけるか。今まで皆さんがどのシーンでワクワクし、期待感を持ったか分からなかったのを、可視化させたのが(協働で実施した)観戦体験向上プロジェクトです。実は試合本番より前に盛り上がるポイントがあったり、試合が終わったあとのフォローが大事だったり、こういったことがFC今治さんと一緒にやることで見えてきた」と語る。一方、「目からウロコだった。僕らはサッカーの試合を見に来てもらって、そこで楽しんでもらうことしか頭になかった」と岡田氏。

 その後、現在建設を予定している里山スタジアムのコンセプトムービーを披露。岡田氏は「投資してもらうために、僕が考えたストーリーはバリ・ヒーリング・ビレッジ(=今治の癒す村)。人間の幸せはAIによって失敗しないことではなく、困難を乗り越えて成長したり絆ができたり、もうひとつの幸せも必要」として、人間性を取り戻せる場所、地元の人の心のよりどころとしての里山というコンセプトを設定した。さまざまな企業がかかわる同プロジェクトに、佐瀬氏は「里山スタジアムはまさにエコシステム。同じ目的に向かって実現したい企業、自治体、NPOといったさまざまな企業体が集合して実現していくのが、社会を変えていく原動力となっている。実現したいビジョンが明確にあって、そこに共感するから皆さんが乗ってくる」と感心した。