岡田監督、MIYAVI、別所哲也…各界のスペシャリストが語るデジタルの“今”「デロイト デジタル ウィーク」

「ブランデッドショート、観光映像などが新たなショートフィルムとして魅力」と語る別所哲也氏

3日目 別所哲也氏「ショートフィルムはスピード感があるからこそ社会課題を映し出せる」

 3日目「Hello New “Entertainment”」のセッション3「New Era of Entertainment」では、スペシャルゲストとして俳優でショートショートフィルムフェスティバル&アジア代表の別所哲也氏が登場。スピーカーの宮下剛氏(デロイト トーマツ コンサルティング執行役員)とエンターテインメントの未来を語った。

 国際短編映画祭「ショートショートフィルムフェスティバル&アジア」を主宰する別所氏。近年の作品の変化について「縦型動画やスマートフォンだけで撮影された作品、SDGsや環境問題をテーマとした作品も増え、広告と映画が融合したブランデッドショートと呼ばれるコンテンツ、地方創生のための観光映像などが新たなショートフィルムとして魅力を放っている」と言及した。宮下氏は、Deloitte DigitalがFC今治と制作する小学生向けのSDGsショートムービーを紹介し「キティちゃんというなじみのあるキャラクターを通し、楽しみながら自然にSDGsを感じてもらえるのでは」と期待を寄せる。

 別所氏は、今後の映像表現を「ショートフィルムは、企画を立てて3ヵ月以内に世の中に見せていくスピード感だからこそ、今抱えている社会課題を映し出せる。もちろん大作映画のようにじっくり腰を据え、構想10年かけて普遍的なものを作っていくことも大切。これがまさに“New Era of Entertainment(エンターテインメントの新時代)”の世界観ではないか」と予言した。

 なお、ここまでのセッションのモデレーターは若林理紗氏(デロイト トーマツ コンサルティング スペシャリスト)。


 4日目「Hello New “Society”」のセッション4「Agile Governmentの実現を目指して~GovConnectのご紹介~」は、ゲストスピーカーに小暮剛史氏(株式会社セールスフォース・ドットコム執行役員、公共営業本部公共営業部長)を招き、スピーカーは森修一氏(デロイト トーマツ コンサルティング執行役員、パブリックセクターリーダー)、大濱憲氏(デロイト トーマツ コンサルティング執行役員)。

 冒頭でデロイトグループが各国の知見をもとに毎年公開する「ガバメントトレンド2021」から、デジタルガバメントの加速、シームレスなデジタル体験、アジャイルガバメントといったトピックを解説。行政サービス基盤のソリューションカタログ「GovConnect」が紹介された。

 そのうえで、デジタルガバメントを実現するには「期待することはアジャイル(素早さ)だと思っている。小さな成功を積み上げて最終的にゴールを目指すことが重要」という小暮氏。森氏は「デジタルガバメントを実現するうえで、調達は一番最初に変えていかざるを得ないところだが、概算要求が国会を通過して予算化されるというプロセスは変わらないので、開発のスピード感や手法とどう折り合いをつけるのかがテーマ」と指摘した。

 小暮氏は「我々クラウドサービス事業者はあくまでツール。最後の1ピースを埋めるのは人だと思っていますので、そこは豊富なノウハウや実績を持ったデロイトさんと共に歩んでいきたい」と期待を込めた。

写真左より森修一氏、小暮剛史氏、大濱憲氏