【インタビュー】筒井あやめ&秋田汐梨 パルコ・プロデュース『目頭を押さえた』でともに初の舞台主演

筒井あやめ(撮影・蔦野裕)

 過去に上演された時の映像などは見ました?

秋田「私は見ていないです」

筒井「私は買いました」

横山「え? 言ってくれれば渡したのに(笑)。うれしいですね」

 演出の寺十吾さんは怖くないですか? パッと見た感じでは鬼演出家の雰囲気が漂っていますが…。

秋田「怖くないです。すごく細かいところで“なんでだと思う?”と聞いてくださるんですが、寺十さんの話を聞いて、自分の考えの浅さに毎日“うっ”となります(笑)」

筒井「寺十さんは優しいです」

 自分が演じる役についてはどういう印象を?

筒井「私の演じる遼ちゃんは、やると決めたことはやる子なんですが、そこはすごく尊敬します。そして普段はあまり自分の気持ちを言わないんですが、いざとなったらちゃんと伝えられる。そういうところはカッコいいなと思いました。上京して“一人で頑張っていくぞ”という気持ちは私もそうだったので、同じだな、と思いました。自分と近い役だと思いました」

 初舞台で、自分とあまりかけ離れた役ではなくてホッとした?

筒井「そういうところはあります(笑)。修子ちゃんだったら、私もっと“ええ?”とか“わああ”ってなっていたと思います(笑)」

秋田「私の演じる修子は、すごく明るくて誰とでもすぐ仲良く話せるような女の子だけど、実は不器用な面もあって。遼ちゃんと気まずくなっている時に話しかけたいんだけどできない。それが裏目に出てしまって、強い言い方をしてしまったりする、そういうところもあるんです。遼ちゃんが自分の夢を見つけて東京に行くことを決断しているのを見て、自分にはそういうものが何もないからと、ちょっと不安になっているんですけど、そういう部分が過去の私に似ているなって思いました。このお仕事は自分なりに頑張っていたけど、私は趣味とかそういうものが何にもなくて。でも周りの子たちは自分で将来の夢を見つけて、それに向かって頑張っていたり進路とかを決めていたりして、自分は本当にこれでいいのかなと思ったり、修子みたいな気持ちを感じていた時期があったので、そこはすごく共感できるなと思いました」

 それは今の仕事を始める前?

秋田「始める前も始めてからもずっとです。お仕事とか将来的なことに限らず、“みんないいな。楽しそうで”みたいに感じていたことがあって、そういうところは似ているなと思っています」

 18歳で、そこまで深く考えているんですね。

秋田「たまに怖くなるんです。“私は将来なにをしているのかな?”みたいな(笑)」

横山「周りがなにか目標みたいなものが決まっているのを見ると焦るんですよね。自分にはまだ見えてないものを友達が先に見つけちゃうと。まさに遼と修子の関係の中にあるものが、自分の経験の中にもあったということですよね」

秋田「そうです!」