東京大壁画が完成! 丸ビル・新丸ビルをキャンバスに横尾忠則・美美親子が制作

 

 美美氏は、コロナ禍が作品の意味合いを変えたとし、「私の作品はオリンピックの聖火が燃え上がっていくパワフルなものをイメージしていましたが、世界中が困難ななかで、炎が清めていく力や癒しの力になっています。見る方が見上げたときに心の中にある願いのような祈りのようなものが映し出されることで、平和と愛が込められた炎となっていけばいいなと思います」。そのうえで、「作品に私からの特別なメッセージは無く、見つめてもらって、自分の心の中にあるものを表現していくことで(作品が)完成します。この1年間で、上を向いてみることに意味が出てきました。立ち止まって上を見てそういう時間を堪能していただければ」と、話した。

 この企画で、親子で初の共同作業。忠則氏は「親子で会話を交わすことはあまりないんですが、作品を通して会話を交わすことができたのは、僕にとっては新しい経験だった」とした。

 企画したドリルの細川直哉氏は、何かを伝えたいという強い思いで描かれた壁画は人類の創作の原点で今も強く何かを訴えかけてくるとし「現代の東京から未来に向けて、時空を超えてメッセージを発信するには壁画しかないと思いました」と企画意図を説明。

 そのうえで「作品のテーマは宇宙と生命のつながりです。コロナの時代にあっても、生命は集まり、循環し、未来に力強く続いていくということをお二人の作品から感じています。ぜひ1人でも多くの方がこの場所に立って、2人の強いメッセ―ジ、圧倒的なスケール感を全身で味わっていただいて、未来に語り継いでいただいたらこんなにうれしいことはありません」と話した。