一ノ瀬監督の音楽の作り方はいつもユニーク。 ピアノ&ドラムデュオ誕生のきっかけにもなった! 【映画『リ、ライト』】

ライブシーンは「あてぶり」一切なし。そんな経験あるわけない!

 そして本作『リ、ライト』では、『おわりはじまり』以上に難しいオーダーがありました・・・「僕は音楽監督として関わったので、テーマ曲以外演奏はしていないし、8ヵ月近く主役の大森博史さんのピアノの先生でした。大森さんの隣で『がんばれ、がんばれ』って見届けて(笑)。ちょっと不思議な感覚でしたね」。そうそう、大森さんがミスタッチした時のはじめさんの「んんん?」っていう反応で、大森さん「ん?」恐怖症になったそうですよ(笑)。

 ライブシーンの撮影現場で、8畳程度の本当に狭い空間の中、あてぶり(演奏部分を録音済み音源などで流し、それに合わせて楽器を演奏するふりをすること)一切なし!という無茶ぶりを聞いた時は、はじめさん、どう思われたんでしょう?「あてぶりなしなんて、そんな経験あるわけない(笑)!自信は全然なかったけど、『やるんだ』っていう監督の決意に対して『そうか!やるしかない!』って思いました。映像に映り込むからマイクは派手に立てられないし、時間がない中、何曲も録らなくちゃならないのも厳しかったな」。本当ですね・・・大変な現場だったと思います(汗)

 さらに「モニターチェックがなくて、緊張感ありましたね」とおおじさん。「普通の現場では、録音するときはモニターで状況を確認、テストしてから本番、となるわけですが、『リ、ライト』ではすぐに『本番スタート!』って声がかかるんで、なかなかの緊張度やった。でも一番大変だったのは、シンガー役の梅宮さんと、ピアニスト役の大森さんだと思います。特にシンガーはちょっとしたプレッシャーが声や喉にも影響しますからね」と振り返ります。そんな『リ、ライト』の難しい現場が成立したのは、はじめさんやおおじさんをはじめ、百戦錬磨のジャズミュージシャンの方々の支えがあればこそ!でした。ありがとうございました!