未来の金メダリストたちが集結した日。【寺尾聖一郎の「SDGsなライフシフト」】

大雨の中で待機する選手に、待機時間の緊張のほぐし方を指導するプロたち

世界レベルが普通になるための日本テニスのこれから。

 大会主催者であり、自ら企画、運営、プロデュースを手掛けている杉山プロのこれまでの道のりは短くありませんでした。自ら世界中でプロとして試合をしてきた本人だからこそ、未来のプレーヤーに必要なことを死ぬほど経験してきました。

 世界では選手を取り巻く社会の環境がものすごく優れている国々があり、指導者、サポーター、トレーニングプログラム、支援者ネットワークなど、金銭面でも手厚いサポートをしている国は多くのトッププロを輩出していました。「テニスプレーヤーを育てるだけではテニス界は良くならない」「テニスが好きな成功者から金銭面やアイデアなどをサポートしてくれる人を育てる必要がある」と考え、それにはテニスと学業をトップレベルで育成する環境が必要と感じ、杉山プロが練習プログラムを開発し、専門家に教育プログラムを任せ、文武両断の環境を提供する仕組みを作ってきました。

 杉山プロのプログラムを受けた子どもの中から、アメリカの一流大学に進学したり、医師、弁護士などになっている卒業生が後を絶ちません。テニスを卒業しても第一線で活躍する社会人を数多く輩出しつづけているのです。

開会式は長崎原爆の日の当日だったこともあり黙祷も

 

杉山プロたちに教わった選手たちが、テニス界と社会を支える時代

 杉山プロは幼少期に真剣に取り組んだテニスを通じて社会に出てもサポートし続けてもらう循環サイクルを作り上げようとしています。技術のみならず、高い学力を身に付ける事と同時に思いやり、礼儀、感謝、あきらめない心など、本人とテニスのコーチと学業のコーチが一体となる仕組みを作ってきました。