待ちに待った食欲の秋!マッキー牧元さんに聞くおうちで楽しむ 「東京の味」

いろいろな味がきっちり詰まった「乃木坂 しん」の一段重会席弁当(1人前、税込5000円、予約は前日まで)

 そのほかにおすすめメニューは?

「浅草『龍圓』の肉まんは皮の厚さが均一で、皮と餡の量のバランスが素晴らしい。マッシュルーム焼売はマッシュルームの香りがすごくて、トリュフののった色っぽい味わいです。自由が丘『mondo(モンド)』は、普段お店では出していないメニューをテイクアウトにしていて、海藻と柚子胡椒のクリームソースは良くできていたし、白神山地の山菜とカラスミのふりかけはパスタにかけてもご飯にかけてもおいしい(現在テイクアウトは休止中)。

 新宿『鳥茂』のお弁当もすごくおいしいですし、目白の『旬香亭』の洋風幕の内弁当も優れものです」

マッキー牧元さん流テイクアウトの楽しみ方

「たとえば『辻留』のご飯セットは、家で食べる時に好きな器に移し変えるので、盛り付けを一生懸命考えるのも楽しいんですよ。蓋付きのお椀にしたり、炊き合わせや向こう付けをお皿にきれいに並べたり。あるいは向こう付けを出して、お造りを出して、お椀、ご飯とコース仕立てにしたりして。

 このお椀がまた良くできていて、出汁をお鍋で温めて、具材を入れるだけですぐできちゃうんですから」

 マッキーさんがこれから注目しているお店はありますか?

「おいしいのは当たり前として、お店の人とコミュニケーションが取れるお店です。あのお店の人と会いたいとか、あそこに行けば誰かと会えるとか、そんなコミュニケーションのあるお店がこれから流行ると思うんですよ。

 外食するということは、自分以外の誰かと食べるわけじゃないですか。仮に一人で食べに行ったとしてもお店の人との会話はあるし、他の人が食べている様子も見えるし、感じのいい他のお客さんが話しかけてきて友達になることもある。お店というのは、そういうコミュニケーションの場なんです。久しぶりに行ってみるとそういう楽しみってあったんだなと思わせるお店があって、そういうところが流行るんじゃないかという気がします。

 たとえば用賀に『スポルカチョーネ(SPORCACCIONE)』というイタリアンができて、町中華という言葉がありますが、ここは町イタリアンみたいな感じです。町○○という呼び方には普段よりカジュアルで、値段も優しいという意味があるんだけれど、いかに町の人に愛されているかということも非常に大事。たとえばよその町から行ったとしても、町の人に愛されているお店に行くと、うれしい気持ちになりますよね。そういうお店がすごく流行っていくと思います」

 自分にとってのおいしいお店を見つけるためのヒントはありますか?

「好きなお店を見つけたら、予算が許すならば毎月出かけることです。毎月行くと味も違えばメニューも違って、そうすると自分の軸となるお店ができるので、それから他のお店に行くと自分の好みが分かってきます。大好きなお店には行き尽くすことが大事です。

 東京というのは日本どころか、世界の中で一番の美食が集まっています。東京の食文化を代表する味というと寿司・そば・天ぷら・鰻になるのですが、これらの名店と言われているお店を食べ歩くのは、東京の味を知るのにはいいことです。日本の中で一番フランス料理・イタリア料理・中華料理が過当競争をしていて、ず抜けているのでいろいろ行ってみたり、ネットで秋が旬の食材を調べて、その食材に焦点を当てて食べ歩くのも面白いんじゃないですか」