自民党総裁選で岸田文雄氏が決選投票で河野太郎氏に87票差をつけ勝利。新総裁に就任

(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

河野氏は党員票が思ったほど伸びず

 今回の総裁選は菅義偉首相の自民党総裁としての任期満了によって行われたもの。菅氏は昨年9月、健康問題を理由に辞任した安倍晋三前首相の任期を引き継ぎ、自民党総裁に就任。再選に意欲を燃やしていたが、9月3日に突如「新型コロナウイルス対策に専念したい」との理由で不出馬を表明。前日に二階俊博幹事長に出馬の意向を伝えたばかりだった。これに先立つ8月26日に岸田氏が出馬を表明。9月8日に高市氏、10日に河野氏が出馬を表明。17日の告示日の前日の16日になって野田氏が出馬を表明し、4氏での争いとなっていた。
 
 告示前から総裁選序盤では、直後に総選挙を控えることもあり“選挙の顔”として国民人気も高い河野氏を推す声も見られた。同じく国民人気の高い石破茂元幹事長や小泉進次郎環境相が支援に回ったこともあり、河野氏が1回目の選挙で党員票を大量に獲得し過半数に達するのでは、という見方もあった。過半数に届かずとも頭一つ抜け出せば“民意”を背に決選投票での議員票の上積みが見込めたが、党員票が思うように伸びず。議員票でも高市氏に続く3位という結果に終わった。

 決選投票では戦前の予想通り、高市氏の票が岸田氏に流れ、大差で岸田氏が勝利を収めた。

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