開幕迫る!2年目のD.LEAGUEー株式会社Dリーグの神田勘太朗COOに聞く ー

株式会社Dリーグ代表取締役COO。株式会社アノマリー代表取締役社長。大学在学中にアノマリー社を設立、2004年からストリートダンスソロバトルコンテストの『DANCE ALIVE HERO’S』を手掛けるなど、プロデューサー・演出家として活動する。また取締役を務める株式会社expgと、N高等学校と連携したexpg学院も立ち上げた。一般社団法人日本国際ダンス連盟(FIDA JAPAN)の会長としても活躍している。

 いろいろな面でレベルアップ

 

 課題と対峙しながら1カ月後の開幕に向けて奔走する。各チームの状況にも目を配りながら、神田氏もアクセルをさらに踏み込む。

「1年目はみんな初めてでしたから、ラウンドごとにショーを作って結果を待つということのスケジュールをうまく組んでいくというところに集中していたと思います。それを経験しての2年目ですから、ショーのクオリティー、12ラウンドの戦い方、いろいろな面でレベルが上がってくるはずです。すでにチームのビジュアルも上がってきているんですが、各チーム、昨年のものと比べると仕上がりが全然違っていて、ずいぶんと意識が変わっているのを感じます。期待しかないですね」

 もちろん「D.LEAGUE」そのものへの期待も膨らむ。詳細は10月末のプレスカンファレンスを待つとして、大きな変化としては基本的には国内でしか見られない状況だったが海外でも見られるように挑戦していく。まずはアジアが中心にはなるが、国外でもDリーガーたちのショーを見られるようになる。

「ダンス動画を見たいという人は世界中どこにでもいて、勧められることじゃないですがリッピングまでして視聴している人もいるみたいなんです。その部分を過剰に心配しているわけではないんですが、2年目からはちゃんと公式に見られるように準備を進めています。アプリなどで、英語、中国語、韓国語の多言語での展開を予定しています。TikTokを見ていても、ダンス動画って広まりやすいと思いますし、DリーガーやD.LEAGUEをより多くの人に知ってもらえるチャンスになると思います。それにダンサーが発信するコンテンツをちゃんとマネタイズして、ダンスでちゃんと生きていけるようにするというのもまたD.LEAGUEのすべきことだと思っていますから」

 優れたコンテンツが、生まれた場所を離れて、海外で展開されるケースはもはや珍しいことではなくなった。まだD.LEAGUEは始まったばかりだが、遅かれ早かれそうした動きもありそうだが……。

「まだそこまでは至っていなくて、日本にD.LEAGUEがあるなら、海外のダンサーが日本に来て踊りたいなという感じで、まだ状況を見ているぐらいじゃないでしょうか。コロナもあって、国境を超えた移動が前のようにもできない状況ですからね。それにダンサーって自由な人が多いですし、耐性がないとなかなか難しいんじゃないかな(笑)」

 神田氏には、ずっと前からダンスはもっと影響力のあるものになれると確信がある。D.LEAGUEの成功もまた同様で、すでに手応えはある。「僕は、D.LEAGUEを知っていることが気持ちいいと思ってもらえる世間をつくりたいって真剣に思ってるんですよね」と、神田氏。「D.LEAGUEを見ていること自体が他の人に差をつけられるようになればなって。「D.LEAGUE、見てないなんてありえない」「あのDリーガーを知らないの、ダサい、遅れてるって(笑)」。

「ねえ、昨日のD.LEAGUE見た?」そんな会話があいさつ代わりになったり、職場や学校での話題になる日は確実に近づいている。

(本紙・酒井紫野)

 

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