『ねらわれた学園』薬師丸ひろ子『時かけ』原田知世と共演、高柳良一「こいつだったら安心と…」

「未だにこんなに愛されている作品に出演できたことは一生の宝」と高柳

 星の魔王子役を演じた峰岸徹にもふれ、樋口が「『私は宇宙だ』の状態を目の前で見ていたんですよね。あれは何事なんですか」と聞くと高柳も「あの目を描くのに半日くらいかかるので、そうまでして必要なのかと疑問に思いました」と苦笑い。樋口は劇場公開時に鑑賞し、「満場のお客さんがフラッシュを焚くので、映写中にスクリーンが真っ白になったのと、ひろ子ちゃんに集中していたところに『私は宇宙だ』で場内がシーンとなった」とその衝撃を振り返った。

 ようやく話題が『時をかける少女』に移ると「知世ちゃんの春休みを使って撮影しているので、とにかく忙しかった」と高柳。

 印象的な崖のシーンは「黒滝山という山で本物の崖で撮影したのですが、一週間前に山火事があったばかりで岩盤はボロボロ。撮影して隣の足場に移ると前の足場が崩れ落ちちゃう」といい、「『安全のためにワイヤーで引っ張ってるから』と言われたのですが、見るとたるんでいて引っ張ってない。その先をスタッフが手で持っていて、本当に怖かったのであれで俳優をやめようと思いました」と危険と隣り合わせだったと語った。

 昨年、大林宣彦監督が亡くなったあとに夫婦で尾道・竹原でロケ地めぐりを行ったという高柳は「タイル小路は残骸になっていて、深町家はもうありませんでした。竹原は町並み保存地区なので、瓦が落ちてきたお堂を含めて当時のまま残っていた」と笑顔。樋口も「行ってみたら何でもない場所なのに、『こんなふうに映るんだ』というのが大林マジック」と同調した。大林監督との思い出を「雑誌の企画で『僕がもし俳優業に戻りたいといったらどんな役を与えてくれますか?』と質問した時に、すごく評価が高いコメントをいただいて思わず涙した」と明かした。

 最後に高柳は「未だにこんなに愛されている作品に出演できたことはすごく光栄で、一生の宝だと思っています。これからも『時をかける少女』を愛していただければ」と挨拶した。

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