世紀の対決がついに実現。武尊の「完全決着の無制限延長ラウンド」希望に那須川は「そこまでもっていかなければいい」

武尊

契約体重は58kg、ルールは「ワンキャッチワンアタックあり」

 2人は現在、武尊が60kg、那須川が55kgと戦う階級が違うのだが、今回の試合は58kg契約で行われる。前日計量で58kg、当日の体重の戻しについては4キロまでで当日計量は62kg。ルールもK-1では首相撲など相手をつかんでの攻撃は禁止されているのだが、「ワンキャッチワンアタックあり」のキックボクシングルールで行われる。

 榊原氏はレフェリーやジャッジについても言及。実力が伯仲する両者とあって判定決着も十分考えられることから、ジャッジの基準の明文化、ラウンドごとのオープンスコアシステムの導入など“判定の見える化”といったことも今後、両陣営と調整していきたいとの意向を見せた。

 両者の対戦についてはルールと体重が一番の問題ではあったのだが、武尊は「この体重に決まったのでそれに合わせて体を作ればいいと思っている。ルールに関してはいつもと違うルールなので、あと半年あるので調整していく。ラウンド数はこれから決まると思うが、僕はこの試合に判定とかドローという結果はいらないと思うので延長無制限ラウンドでやりたい」と決着がつくまで延長を重ねる完全決着ルールを提案した。

 対する那須川は「いろいろあったが、決められたことをやるだけ。
お互いにこの階級が適正階級ではないが。それは5年前の時点で階級は違っていた。ファンの方や応援してくれる人が後押ししてくれたし。話は戻ってしまうが、この試合をやるにあたって、たくさんの人に感謝しなければいけないと思いますし。やっぱり一番はファンのためというのもありますし。関係者とか周りの身近な人たちとか、チームの人とかもいるが、全員が全員、心からこの試合を見たいというわけではないんだなということを交渉の時点ですごく感じて。みんな自分で自分を守ったりとか、自分の権利とか思いとかをどんな状況でも大事にしたいんだなということも分かりましたし。そういう人たちがいたなかでも、自分を信頼してくれる人というか自分のことだけを思ってくれる人もたくさんいた。そういう人たちやファンのためというか。あとは、この試合を行うことで、これからのキックボクシングがすぐに発展するかといったらそうではないと思う。このカードをやってしまうことで、これから盛り上がりがもっと上がるかといったら、正直それはないと思うが、これを見て、僕は昔、K-1を見てキックボクシングを始めようと思ったので、この試合をやることで、そういうふうに思ってくれる人が一人でも二人でもいればなというか。そういう人はたくさんいると思うので、未来のある子供たちのために僕はこの試合をやろうと思っています。あと、僕はまだ23歳で、新卒の年というか。最近の若者はとか、ゆとり世代はとか、Z世代はとかといろいろ言われるが“そんなことは関係ない。見てろよ”と世間に知らしめたい。若者代表だということで、そういったことも周りに見せたい」などと語った。

 また無制限ラウンドについては「そこは調整になるかと思うし、今ここでやるかやらないかは分からない。榊原さんが最終的に決めることだと思う」と特には語らず。もっともそれは「引き分けはいらないというか、そこまでもっていかなければいいという話ですよね」と武尊同様、完全決着については心を同じにした。