新型コロナの発症リスクをAIで判定。食生活や行動習慣を見直すきっかけに?

生活習慣に関する質問項目も細かく設定されている

 特徴的なのは、食事についての問い。食事と健康の関係性に着目し、データを蓄積してきた同社は、新型コロナ陽性経験者の食事傾向とその食品に含まれる原材料や添加物に関連があることを発見した。分析によれば、新型コロナの発症リスクと特定の添加物や糖質、油、保存料の摂取には関係があるといい、人工甘味料のパラチノース、植物油などは発症リスクを高める傾向があることがわかった。一方で、濃厚接触があったにも関わらず新型コロナ陰性だった“エリート”たちが摂っていた食材の傾向としては、海藻類やエゴマ油などが挙げられた。また、入浴の際に湯船に浸かる習慣があると答えた人は統計的に発症リスクが下がることもわかり、一般的にいわれる入浴による免疫力向上や風邪予防効果は、新型コロナにも有効であることがわかった。

 同社の栢孝文代表は「既往歴など変えられないものもある。全てをやめろというわけではなく、リスクを理解した上で、行動の選択ができることが大切」と話す。

 コロナラボはアプリのインストールや会員登録なしに、ブラウザ上で利用可能。個人情報の入力はなく、誰でも無料で利用することができる。判定後は、リスクの増加要因となった食品や、悪い生活習慣が表示され、普段の食事や行動の改善を意識できるほか、続けた方が良い習慣の一覧や、発症リスクの高い添加物を含まない「ヘルシーフードリスト」の表示など、食材選びの参考になるアドバイスもある。

 同社は今後、インフルエンザや、うつ、潰瘍性大腸炎、ALSなどの難病、心疾患、花粉症、睡眠障害など、さまざまな現代病にも応用する見通し。栢代表は「食べ物が関係している病気もたくさんある。これからもリスクを判定するアプリを開発していければ」と期待を寄せた。

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