福士蒼汰と宮野真守がバディ、やりたい放題の髙嶋政宏に「僕らはしっかりと立ち向かえる」 いのうえ歌舞伎『神州無頼街』制作発表

撮影・田中亜紀

 

 物語の舞台は幕末。若くて優秀な“町医者”と、他人の揉め事に口出しすることで日銭を稼ぐ“口出し屋”の2人が、謎に満ちた侠客が仕切る“無頼(ぶらい)の宿(しゅく)”に、なりゆきで乗り込む。そこには彼ら2人とそれぞれに因縁浅からぬ人物が暮らしていて……。

 脚本の中島かずきは時代伝奇小説への挑戦が本作のテーマだったといい、本作は国枝史郎の傑作『神州纐纈城』へのオマージュだとした。

 いのうえは、「侠客……やくざを舞台にしているけど、もっといろんな魑魅魍魎が跋扈するような不思議な作品になっております。この2年間のうっぷんを吐き出すつもりで、思った以上にロック芝居というか、音楽芝居の側面も上がっています。僕ら(劇団☆新感線)には、音楽芝居には生バンドを入れたRシリーズがありますが、生バンドが入っていればRシリーズといってもいい(作品)。楽曲も豊富ですし、ロックした時代活劇になっている」と胸を張る。

 司会を務めていた中井美穂が「歌が、いのうえ歌舞伎にしてこれだけのボリュームというのは新しいのでは?」と問いかけると、いのうえは「前、マモが出ていた髑髏城の月髑髏の時に、お客さんの声で、なんで歌わせないんだという声があった。捨之介が朗々と歌ったら気持ちが悪いだろって(笑)。そういう意味じゃ、最初から歌を組み込んだ芝居なので、思う存分歌っていただける!」

 曲数は当初より増えているといい、宮野は「曲数はたくさんあるので楽しんでもらえると思う」と笑った。

 迫力の殺陣ももちろん見どころ。「……うちにはアクションスターがいるんで!」と笑顔で福士にアイコンタクトした宮野に、福士も「……うちにはミュージカルスターがいるんで」と返し、息の合ったところを見せつけた。

 髙嶋は売り出し中の侠客、松雪はその妻を演じる。2人は悪役で、福士と宮野と対決することになる。「髙嶋とともに、今までにないような悪役を演じたい」と、松雪。念願の劇団☆新感線作品に初出演となった髙嶋は「昨日、興奮して眠れなかった」ためにテンションが高めなのか、それともすでに役に入っているのか、やりたい放題。隣りに座っていた宮野は「こんな呼吸をするように下ネタを言うんだなって! まだ稽古では対決シーンまで行ってないので、この空気感を知れて、僕らはしっかりと立ち向かえるなと思いました」と、笑った。

撮影・田中亜紀


 最後に、いのうえは「2年越しの熱い思いを込めたお祭りのような舞台にしたいと思う」とアピール。

 福士も「殺陣も多いですし、歌も多いですし、ド迫力の舞台になると思います。その根底には人の生き方や生き様も描かれているのでそういう部分も見ていただけたらうれしい」と、話した。

 3月17日の大阪・オリックス劇場で開幕。静岡公演を経て、東京公演は4月26日~5月28日に池袋の東京建物Brillia HALLにて上演。