コシノジュンコ氏と豊島区の高野区長で「壁のない」トークショー 区制施行90周年でフリーに意見交換

コシノジュンコ氏

 トークの中で、コシノ氏が「池袋には壁がないですね。空気感がよくて、風通しがいい。こうして直接お話もできる。お高い感じがしないし、すごい楽ですね」と街の印象について述べると、高野区長は「池袋は雑多な街で多様性があって、お高くとまっていない。大衆性というのか、そういうのがあります」。

 トークショーそのものも「壁がない」形式だった。トークショーと言えば、壇上のコシノ氏と高野区長が話すのを聞くというのが一般的なスタイルだが、この日は、観覧席の大使たちもトークに参加。「壁がないどころか、人間味がある。気さくに言いたいことが言えます。みながそうなると本音で話ができるので(街が)育っていくと思います」と、コシノ氏。

 さらに、コシノ氏は、西口のグローバルリングを「丸」、東口の中池袋公園を「四角」に見たてるなどコンセプトを持って街づくりをおこなっていくことを提案、さらには自慢に思える街づくりをしていくことも大切であると話した。

 イベントの最後には、壁がない街であること、心のバリアフリーを守ること、子どもたちが自慢できる街を作ることの3つを大切にすることを共有した。

 そのうえで、高野区長は「環境、境遇が変化しても、それに応じていける。それがいい街ができる基本だと思っています。順応というのが、将来に向けてのキーワードだと考えています」と話した。

高野之夫区長

 豊島区は2022年、区制施行90周年を迎える。視線はさらに先の100周年を見据えて進んでいく。

 高野区長は「90周年はひとつの大きな節目として、100周年へ。子どもたちのためにも、自慢できる、誇りに思える豊島区を作り上げていかなければいけない。10年と言っても、コロナコロナといって2年が経っていますし、10年はあっという間だと思います。80周年から90周年で大きく変化した豊島区ですが、100周年に向けて、みんなで力を合わせて作り上げてまいりましょう」と呼びかけ、会を締めくくった。

「アートフェア東京2022」のエクゼクティブプロデューサーである來住尚彦氏

 トークショーは「アートフェア東京2022」(3月11~13日、東京国際フォーラム ホールEなど)の一環として開催。池袋のHareza池袋(パークプラザ&中池袋公園)もサテライト会場になっており、13日まで、実物の作品とデジタルレプリカをARで展示するハイブリッド展を行っている。また、東京国際フォーラムでは、若手アーティストとキュレーターが国際的に活躍するための機会創出を目的としたNFTアート展覧会「Future Artists Tokyo 2022」も併設開催している。

 トークショーの模様は後日アーカイブ配信される予定。