西島秀俊、アカデミー賞授賞式前日にアメリカで墓参り「偉大な魂が僕を運んでくれた」

 

 また現地では「授賞式前日にジョン・カサヴェテス監督のお墓参りに行きました」と、実は濱口も大きな影響を受けたという名匠の墓地に訪れたと明かし「素晴らしい作品を作った偉大な魂が、僕をここまで運んでくれたんだと感動しました」と感慨深げに語った。

 ミニシアターファンにも熱いファンを持つカサヴェテス監督作には、濱口監督も大きな影響を受けたと言い「本作のような、決して大きな規模の作品でなくてもアカデミー賞に呼んでいただけるということは、映画の価値は、予算の大きさに関係なく、カメラと被写体の間にどんな関係を作るかで決まるんだと思う。志を持っていい映画を作る人がいて、それを配給してくれた人たちがいる。個人個人がその志をあきらめず続ける先に、誰もが認める価値があるのではないか」。

 アカデミー賞について「桁外れな世界。予算規模もまったく違う世界だった」と振り返った監督は、現地で交流した多くの映画人に「そんな予算で映画を作れるの?と驚かれた」と苦笑しつつ「その一方で、自分自身のパーソナルな喜びや傷をどう作品に昇華するか、自分自身から考えようとしている印象。その点に関しては変わらないと感じた」と現地で感じた共感や驚きを振り返っていた。