中村倫也がUFC挑戦へ大きく踏み出す血染めの勝利。「格闘の神様が僕が望むところに連れて行ってくれると思う」【POUND STORM】

グラウンドでサイドポジションをキープする中村(🄫SUSUMU NAGAO)

 また試合後の会見で中村は「実力を出し切れなかった。それが相手の強さでもあるのかなと思う。想像していたように打撃の軌道が読みづらかった。自分からスピードを生かした戦い方をしたかったができなかった。もっとスクランブルになると思っていたが、相手がカットしていることもあって、首を抱えて絞って出血させにきたのかなと思う。そこにこだわってくれていたからやりやすかった」などと試合を振り返った。出血とその後の戦いについては「1回目のチェックで“長いことできないよ”とは言われた。だから極めにいくしかないと思ったが、軌道が読みづらい打撃で、どんな出し方をしてくるかも分からなかったのでやりにくかった。あとは相手がカーフと傷口への打撃にこだわっていたので、作りにくくもあったし、それが逆にやりやすくもあった。矛盾しているが、そういうことだった」と語った。

「UFCが目標」と公言する中村なのだが「後から試合を客観的に見ないと分からないが“こんなもんでコントロールできるの?”とか“このスピードなの?”と思った。最初のテイクダウンでギロチンの仕掛けが来た時に“これくらいか”という感じで全然大丈夫と思った。映像で見ていた外から見る距離感とか速さはMMAをやっていて、いざ試合になると全員が遅く感じる。もらっておいて言うのもなんですけど(笑)。やればやるほど分からなくなりますね、MMAは」などと“対世界”への手応えを感じ取ったよう。

 そして今後については「試合前の作り方とか、試合に向けてある程度、後輩に背中を見せられたと思うので、僕は次のステップに行ってもいいんじゃないかと思う。本当に日本のMMAの歴史を背負う気でいる。勝手にそう思っているんで、格闘の神様が僕が望むところに連れて行ってくれると思う」と早期の海外進出を視野に入れた。