小原ブラス「きれいごと言っても結局自分は安全圏にいたい」平和訴える難しさ語る

 

 ドキュメンタリー映画『オードリー ・ヘプバーン』トークイベントが25日、都内にて行われ、ロシア出身タレントの小原ブラスが登壇。女優引退後、ユニセフ国際親善大使として平和を訴え続けたオードリーに共感しつつ「発言力がほしい」という自身の思いの背景を語った。

 今なお世代を超えて愛され続ける女優オードリー ・ヘプバーンに深く迫るドキュメンタリー。

 小原は「僕はゲイなのですが、ゲイの友達の家に行くとよくオードリーのポスターがあった。歴史上の美の象徴というイメージ。“神”と言ったらアカンかもだけど…」とオードリーの印象を振り返りつつ、第二次世界大戦の経験や父親との確執、2度の離婚などプライベートでの葛藤にも迫った本作を見て「“人”やったんやな、と。弱いところもある人だったんだと、ちょっと安心もできた。世界で一番と言っていいくらい愛された人だけど、本人が一番求めていたのは愛だったんだな、と。それでもオードリーが最終的にしたことは、愛を与えたことだった」。

 ロシア生まれ、姫路育ちで、現在タレント、コラムニスト、ユーチューバーとして活躍する一方、出身地ロシアによるウクライナ侵攻問題などについても言及し、注目を集めている小原。「僕の場合は5歳の時に両親が離婚して日本に来たけど、日本のお父さんに、すごく愛情を注いでもらって満たされたものがあったのか、そこまで(実父への複雑な)思いはなくて」と振り返り「でもオードリーは、戦時下でのお父さんの思い出を抱え続けていて、戦争で苦しんでいる子どもの姿がいたたまれなかったんやろな、と思う」と、ユニセフ国際親善大使としての活動に身を投じたオードリーに思いをはせた。

1 2>>>