亀田誠治が語る “誰ひとり取り残さない、人と地球に優しい” 都市型フェス「日比谷音楽祭2022」

3年ぶりの有観客開催に「今年もあっと驚く組み合わせを用意していますので、楽しみにしていてください」と亀田

“誰も排除しない”ということの意味

 同音楽祭のもう一つのテーマが、「誰も排除しない」ということ。これは、SDGsにも通じる考え方だ。

「全ての人たちに心地よい空間になるよう配慮しています。公園にいらっしゃるのは音楽祭のお客様だけではないので、そういう人たちもくつろげる自遊空間を前回より増やしています。例えば喫煙についても、喫煙所を設けることで分煙を徹底。一人ひとりに心安らげる場所があるのは、自由を語る上でとても大事なことですから」

 開かれた自由はマナーによって支えられている──とも語る亀田。いま、コロナ禍で多くの人たちが疑心暗鬼になり、他人に優しくできない状況が続いているが、そうした心の分断、“マインドディスタンス”を埋めるのは、ちょっとした思いやりと譲り合い、そして調和を持ってよしとする音楽の力だ。

 なお、今回は平日の金曜の夜に「Friday Night Acoustic」というプログラムが用意されている。これは野音の平日利用の可能性を探るための実証実験として、東京都と協力して実施されるもの。規定の音量を超えないようアコースティック編成で行われ、拍手も控えめにするなどの配慮が求められる。より多くの人が音楽に触れられるようにするための試み、ぜひ観客として協力したい。

(取材・文:いからしひろき)