世紀の一戦を制した那須川天心が「武尊選手という最高の選手がいたからこそ熱い試合ができた」と改めて感謝【THE MATCH 2022】

リラックスした表情の那須川

 またジャッジの傾向について「それは結構気になりました。びっくりしたのがあった。自分の試合で2Rに相手にポイントが入っていた。“え?”と思った。“取られた?”みたいな感じはあった。あとは全体的にいろいろな気を使っているんだなって思った。“10-9だと思うんだけどな”というところも10-10が多かった。“これはダウンでも取らないと10-10にされるな”というのは自分の中であった」と自分より前の試合のジャッジの傾向が改めて気を引き締める要因となったよう。

 試合後の涙については「僕、よく泣きますよね。あまり覚えてなくて。感情がばっと出てきたというか。やっぱり、6~7年くらい望まれていてできなかったカードがやっとできた。やっぱり拳で語るではないが、2人じゃないと分からないこともたくさんあるし、表でいえないこともたくさんある。条件面とか今までの経緯とか。そういった思いが全部あそこに出たのかなと思う。選手たちはお互いにずっとやりたかったし、いろいろな事情があってできなかったのをここで爆発させたというか。そういう感情がお互いに出たのかなと思います」と振り返った。

 この会見がキックボクサーとしては最後の会見になるのだが「考えてはなかったが、やはり寂しい気持ちはあります。覚悟はしていたが。最高の形でというか。みんなが納得する形でキックボクシングを終われるというか、日本で最強ということをやっと証明できたので、自信を持ってキックボクシングを終われるかなと。僕の第1章は終わり。それは寂しいですが、自分の人生なのでしっかりと心に刻みたい」と語った。