〈インタビュー〉品川区長選に出馬表明の前都議の森沢きょうこ氏「区民とともに進める区政を」

(撮影・蔦野裕)

“不登校”という言い方もどうなのか

 品川区における小中一貫教育については今後変わっていくところが出てくるのでしょうか?
「先進的に取り組んできたからこそ、そのまま維持していくだけではダメという部分は出てきていると思います。新たに発展させていくという意味で、私は小中一貫だからこそできる特色ある教育などをやっていくべきではないかと思っています。今は“小中一貫だと制服があるよね”といった話は聞こえてきますが、なかなか教育に関する特徴が聞こえてきません。品川区では中学受験される方が結構多いんですが、保護者の中には中学受験をしなくても良いように公教育をもっと充実させてほしいという声もあります。そこで、STEAM教育や国際バカロレア、インクルーシブ教育など先進的な教育に挑戦すべきと考えています。また、学校だけですべてを解決するのは難しいので、外部の人材を活用した授業や課外活動、家庭での学習支援などをうまく組み合わせていく必要があると思っています」

 教育のデジタル化についてはいかがでしょうか?
「デジタル化もあまり進んでいないですよね。これについても外部人材の力をお借りすることが必要だと思っています。特に一人一台配布されているタブレットの有効活用については様々ご意見をいただくところです。

 不登校の問題。フリースクールを選ばれる方も少しずつ増えてきて、地域の学校との連携ができていないという相談は寄せられています。オンラインで出席できるようにすることも重要です。こういった施策で、子供たちの多様な学びを保証していきたいと思っています。

 今、“不登校”という言葉を使って説明させていただいたんですが、本来この言い方もどうなのかと思っています。学校に行くことだけがすべてではないと考えているので、正直なところ私はこの言葉は使いたくないんです。どんな形であれ、学びが保証されれば学校にいかなくてもいい、とも思うんです。それが今は学校長の判断で、出席を認めない、卒業を認めないという形になっている。これは国全体の課題だと思うんですが、ちゃんとオンラインで勉強していれば出席を認めるとか、学校長の判断ではない形で卒業できるようにするとか、そういうことは必要かなと思います。学びの形を選べるようにするということはすごく大事だと思います」