「暗い・怖い・汚い」を払拭。池袋北口の公衆トイレ「ウイトピア」が美術作家・植田志保氏の手で再生

天窓を下から撮った写真

 改修にあたり一番気をつけたところとしては「明るくきれいというのはもちろんだが、自分たちが生きているのと同じように建物とか街の景観というのも息づいていると思うので、これからも一緒に成長していけるような仕掛けを随所に施した。なので建物というものに命が現れたというような思いが一番強い」と語り、その“仕掛け”については「お掃除していただけるような原画を用いていること。これは直接描いている。プリントではなく。そうすると生のものなので、手入れしてくださる方が出てくる。ウイロードもできて2~3年経つが区民の有志の方が毎週掃除をしてくださっている。みんなが大切にしてくださっている。コピー(プリント)だったらそう思ってもらえなかったかもしれないと思い、原画を生き物として宿らせた」と明かした。ウイトピアのすべての絵は植田氏の手で描かれたものなのだという。

 またウイトピアの北口における位置づけとして「いろいろな開発があると思うが、ウイトピアとかウイロードというのはどちらかというと、温もりがあって、人の距離が近い、肌が感じられるような場所だと思うので、温もり担当というか、温かい成長の仕方をしていける場所なのかと思っている。いろいろな都市政策があると思うが、この場所は温度を感じられる場所であってほしいなという思いがある」とも語った。