変わらずに裏切り続けた義村・山本耕史「義時に小栗旬のいろんな部分を見た」〈鎌倉殿の13人〉


 成長していく中で変化していく様子や「いろいろな部分が見られた」義時に対し、思い返してみると、義村はずっと変わらなかった。「義時が変わっていったからこそ義村はそのまんまが際立った」と、山本は言う。

 変わらずにいることは義村を表現するうえでの重要なポイントのひとつだったようだ。

「台本を読み進めていくにつれて、義時と義村は本当にひどいねってなっていったんですよ、周りも僕らも。視聴者にも義村腹立つって思われるのかなって思ってたんですけど、よくよく考えると義村って最初から言ってることか変わらない。例えば、北条が頼朝をかくまうという時には首はねちまえよ!とか、あいつは疫病神だとか言ってるし、義時には『お前、頼朝に似てきたぞ』みたいなことも言う。一貫してるんです。後半に向けては誰であろうと出る杭を打つだけです。本当に全く変わらない男じゃん、と。

 後半になると、闇落ちする義時がいて、視聴者はどっちを応援するんだろうみたいなところまで行きます。義時をいじめないで!って思うかと思いきや、義時、他の人をいじめないでみたいな流れがあって、そこで義村が義時を裏切ったら、よくやってくれた!ってほうに回るなって思いました。

 義時が変わっていったからこそ義村は“そのまま”が際立ちました。義時、和田、畠山もそうだけれど、髭を蓄えて見た目も変わっていく中で、義村は一貫して何も変えないでいこうと提案もさせていただいて。着物は一回変わりましたが、メイクは変えてないんです。白髪を足したり、しわっぽくしたり、どんどん老けさせていきますが、僕は同じようにしていこう、と。実際あんまり年取らない僕みたいな童顔タイプもいるわけだから。考えもそうだし、思惑、彼の思想、そして容姿。全部第1回から統一してるって。それは強かったなと思います」