松本潤「すごいことをやっている」8日スタートの『どうする家康』で大河初出演&初主演

 

「家臣団と会うのが楽しみだし、ワクワクする」

 古沢の魅力的な脚本、そして魅力的な共演陣、そしてスタッフに囲まれ、日々撮影を続けている。

「家康を演じるという意味では、その都度その都度、どうする?というのを突きつけられて悩み続ける日々なので、1つ乗り越えたと思ったら、また1つ次の問題が来てということの連続です。なので、家臣団や瀬名さんたちと一緒のシーンは、対照的に穏やかな空気の、シーンを撮れるので日々の楽しみになっています」

 チーム家康こと家臣団を構成するのは、まとめ役である酒井忠次(大森南朋)、本田忠勝(山田裕貴)、榊原康政(杉野遥亮)、井伊直政(板垣李光人)、石川数正(松重豊)ら。若手からベテランまで頼りがいのある面々が揃った。

「現場で会うのが楽しみで、今日はみんな揃うな!というだけでワクワクします。クランクインが愛知県だったこともあって、時間があるときにはタイミングの合う人たちでご飯に行ったりすることも含めてコミュニケーションが取れましたし、撮影の合間に甲冑を着て前室で身動きが取れない状態でいるという苦労もみんなで共有できたので、あっという間に家臣団の関係性を作れたんじゃないかなと思います」

 そんな雰囲気もあってか、現場には「気を遣わず言いたいことをいえる環境」があるという。

「今で言うとイッセー尾形さんが一番の年長者で、その次が松重さん。年齢幅が広いですが、先輩たちがそういった雰囲気を容認してくださり、支えてくださっているお陰かなと思います」

 劇中には、興味深くて、きらびやかで、怖くもあって、魅力たっぷりの戦国時代のヒーローたちが次々に登場する。

 例えば、まだ家康となるまえの若き家康が影響を受けるのが、今川義元と織田信長。義元は野村萬斎が演じている。

 「台本上の解釈を含めてになるのですが、僕が演じている家康というのは義元公にすごく可愛がられたと思っています。というのは、まだ家康が松平次郎三郎元信の時代だと思うんですけど、氏真と年も近いこともあって、義元は氏真が今川の当主になったときに氏真を支えてくれる人物として、人質の身でありながらも家臣となるべく、しっかりと教育をしてくれた方という印象です。

 この作品においては、義元公に教えられたことや、何気なく言われていたことを、桶狭間の戦いの後に思い返したり、今川でどんなふうに育てられていたのか、感じている御恩みたいなもの、今川氏真との思い出なども描かれていきます。囚われの身でありながらも何不自由なく育てられ、当時の駿府は文明も栄えている場所だったので、そこで生活できていることに満足していた部分があるのではないかと思います。だからこそ三河に帰った時に駿府とのギャップみたいなものを感じるし、三河を立て直そうと奮闘するときに問題が起きる。駿府に帰りたいと思っているわけではないと思うんですけど、そういったギャップには苦しんだのかなと思います。

 

岡田准一は「家康と信長の関係性のように、頭が上がらない人」

 信長については、ある種の恐怖だったり、憧れみたいなものを抱いていたと思います。小さいころの記憶みたいなものが残っていて、その記憶は戦国で生きていくなかですごく重要なポイントだと思うんですけど、自分自身の価値観ではない考え方。なので、こういう考え方の人もいるし、こういう人が強くなるんだろうな、こういう生き方をしなきゃいけないんだろうなって、信長を見ながら感じていたのかなと思います。若い頃は信長をはじめ周りの人たちの思いや考えによって物事を決めていくといったような受け身な部分があるので、そのなかで一番重要なポジションにいるのが信長だったのかなと思います。それが自分の家臣や周りの人の影響を受けて、自分はこう思うんだと変わっていく。そういう意味では目の上のたん瘤というか、頭が上がらないという人のイメージです」

 その信長を演じるのは岡田准一。岡田は、松本にとって「家康と信長の関係性のように、頭が上がらない人」だと言う。

岡田くんがV6時代に僕はジャニーズJr.としてバックで踊らせていただいていた直属の後輩。尊敬する先輩であると同時に、ある意味、家康と信長の関係性のように、頭が上がらない存在でもあります。そんな先輩に僕が家康をやるときに信長をやってもらえることは光栄です。『軍師官兵衛』で大河ドラマの主演も経験されているので、いま現場がどういうことになっていて、どういうことをやれば面白くなるのかとか、今やっている芝居の空間をどう動かすと面白くなるのかということを考えて動いてくださるので、まさに僕は役柄同様、翻ろうされるというか引きずられているような関係性でやらせてもらっています

 さて、いよいよ初回放送も迫ってきた。撮影現場の士気もあがる。

「現場の雰囲気は良いと思います。共演者やスタッフの方とコミュニケーションを取りながら撮影ができている、すごく仕事をしやすい環境ではあります」と、松本。「僕が(座長として)何をやっているかというと、少しでも楽しくできたらいいなという部分と、少しでも早く終わったらいいなという部分。役者の心理としては、現場に入ってきて自分の気持ちが新鮮なうちに撮って帰りたいというのがあると思うので、なるべくテンポよく撮影できないかなとスタッフにプレッシャーをかける感じですかね(笑)」

 12月に行われた初回試写での会見では、1話の見どころを聞かれて「全部です」と答えた。次々に登場する戦国のスーパースターたち、家康を含めたチーム徳川がどのように変化し深化していくのか、有村架純演じる正室・瀬名との関係はどうなっていくのか、今年も日曜日が楽しみでならない。

『どうする家康』は、1月8日に放送スタート。 毎週日曜、NHK総合で20時から、BSプレミアム・BS4Kで18時から放送。再放送(土曜13時5分~)もある。

 

(TOKYO HEADLINE・酒井紫野)

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