医療DXにスマートウェルネスシティ。QOL向上のためのキーワードとは〈BEYOND 2020 NEXT FORUM〉

加藤勝信厚生労働大臣

日本が取り組む「医療DX」や「スマートウェルネスシティ」の推進

 セッションでは、まず「QOL向上に対しての日本の取り組みについて」と題し、加藤大臣が厚労省での取り組みや自治体の動きなどを紹介した。

 個人の健康・医療データを意味するPHR(パーソナル ヘルス レコード)。国民の健康増進を図るため、政府は現在PHRの活用を推進しており、マイナポータルから健康・医療情報を閲覧できるようにするなどの取り組みを行っている。加藤大臣は「医療機関に行ったときにお医者さんが活用できる仕組み、いわば医療DXをしっかり進めていきたいと思いますし、併せて個人が自分の情報を見ることで“何年前はこうだったよね”と、自分の健康管理に対する意識を高めることで健康寿命を伸ばすことにつながるのではないか」と、ねらいを説明した。

 また「健幸=健康で幸せ」なまちづくりを目指す「スマートウェルネスシティ構想」では、各自治体が取り組む環境づくりの大切さも伝えた。「簡単にいうと“ちょっと歩いてみようかな”というまちづくりです。例えば、歩きにくい道ではしっかり幅がとられていて、安心感を持って歩けるとか、地域で運動イベントを行ったりですとか。そういった取り組みをするなかで地域そのものを健康にしていこう、というものです」と説明。さらには、経済団体、医療団体、保険者、自治体などが連携・協力し、2015年からスタートしている「日本健康会議」では、健康寿命につながる具体的な数値目標や指標を設けているとし、企業にとっても「働く人が健康であるということはプラスになる」と、健康経営の大切さも伝えた。

 これには近藤が「例えばベビーカーを押してるだけでも、(道には)いろいろな看板があったり、突然人が出てきたりする。子どもがちょっとぶつかっても“大丈夫だよ”って優しい人たちがいると、お母さん的にはすごくありがたいなと思いますね」と話し、街に出かけやすくなる雰囲気づくりが大切だと伝えた。