橘ケンチが“ガチ”の日本酒本を発売「一家に一冊置いてもらって」


 この本気の日本酒本、橘は「自分の日本酒プロジェクトの集大成」と話している。そうなると今後が気になってくるが……。

「日本酒に関わって一番良かったと思うのは日本の各エリアの魅力を知れたこと。蔵に見学に行ったりすると、その日の夜に蔵元さんとその土地の飲食店でお酒を酌み交わしながら料理を食べたりするんですけど、そこでその土地の魅力を感じるんです。お酒も料理だけでなく、人も雰囲気も、空気もそう。そういう時間を過ごす中で、この土地はこういう風土だというのが自分の中に蓄積されていくんです。それをずっと繰り返してきて、いま僕の頭の中には、日本酒を起点にした日本全国の魅力マップみたいなのができてるんですよ。日本酒がその土地ごとのシンボルやハブになっていて、そのまわりに農産物、畜産物、料理、地域の食文化であるとか、自然だとか……日本酒がその風土の中で魅力の象徴的な存在になっているんです。日本酒を起点にしながら魅力を知れば応援したいと思いますし、本業はエンタメですから、結びつきが強い地域にはグループで行ってライブをしたい。いろんな街との接点をもっと増やしていって、最終的にエンタメを投下してバーっと花火をげるというか、一過性のものではなくて魅力をしっかりと拡散して定着させるというのを自分の中の仕事にしたいと思うんですよね」

 橘がそう力強く語るのには理由がある。

「昨年、EXILEのツアーで福井に行ったんですが、すごく熱烈に歓迎してもらったんです。それって僕が福井市の食のPR大使になっていて、いろんな関わり方をして、福井とも縁ができていたとこともあったからだと思っていて、自分の中では、個人のプロジェクトとグループのプロジェクトをつないだ一個の成功モデルだなと思ってるんですよね」

 さて、念願だった日本酒本は読者のもとへと旅立った。が、それを追うように初めての小説『パーマネント・ブルー』も発売。そしてEXILE THE SECONDのツアーもスタートした。成功のうちに幕を下ろしたミュージカル『チェーザレ 破壊の創造者』も含め、SNSを眺めていると、「橘ケンチ PERFECT YEAR」といったLDHらしいフレーズも見受けられる。

 今後、橘はいったいどうなっていくのか?

「周りからはいろんなことをやる人だろうなって思われると思うんですけど、自分の中ではつながっていて、一つの丸の中に収まっています(笑)。ちょっと時間はかかると思うんですけど、何年か続けて、だんだんと認知されていって、自分のやりたいことができるようになるといいなと思います。……ああ、それに今年はまだまだ発表できることがたくさんあるので、まだ楽しみにしてほしいですね」

 発表を待ちながら、『橘ケンチの日本酒最強バイブル』をペラペラやりながら、日本酒というのも良さそうだ。

(TOKYO HEADLINE・酒井紫野)

『橘ケンチの日本酒最強バイブル』
宝島社より発売中。定価1980円(税込)
<<< 1 2 3