米倉涼子「長年ドクター役をしていたので(笑)」本物オペも見学する姿勢に松本穂香「さすがです!」

Amazon Originalドラマ『エンジェルフライト 国際霊柩送還士』は3月17日よりPrime Videoにて配信開始

「死を扱っているけれどこれは“生”の物語」

 ときに那美の熱意に振り回されながらも、多くを学んでいく凛子さながら、役どころにぴったりのコンビ感をかもす米倉と松本。

米倉「バランスがちぐはぐしていて、ちょうどよかった(笑)。第1話の最初は、凛子ってあまり自己主張してこないけど、言うところは言うのは、最近の若者らしくて。那美世代との目線の違いとか、そのかけ合わせによる化学反応が面白かったりもしますよね」

松本「凛子はだんだん反抗してくるんですよね(笑)」

 那美が率いるエンジェルハースの個性豊かな面々は毎回、事情を抱えて日本に戻った遺体と向き合い、彼らと遺族の想いにも寄り添っていく。

米倉「海外で突然亡くなられた方のご遺体がそのままご遺族のもとに届いたら、死を受け入れるだけでも困難なのに、傷ついたご遺体の様子をそのまま脳裏に収めてしまい、生前の大切な思い出を消してしまうかもしれない。エンジェルハースの面々が大切にしているのは故人が“生まれてきた証”をご遺族に残してあげること。この作品は“死”を扱っているけれど、亡くなった方や残された人の生を描く物語だと私は感じています」

松本「本当にその通りだと思います。いろんな死があり、そこにはいろんな関係性がある。もしかしたら、死は乗り越えなくてはいけないものではなくて、悲しみを抱えたままだっていいのかもしれない。でもそんな中でも、那美たちのようなプロフェッショナルのおかげでどこか前向きになれることもあると思います。最期の姿は、その人を思い出す時に強い印象を残してしまうかもしれない。だからこそ、ご遺体をきれいにすることはとても大切な仕事だと思います」

米倉「世間から見るとおそらく、エンジェルハースの社員たちってはみ出し者だと思うんです(笑)。でも、そんな彼らも、亡くなった人やご遺族を通して、彼ら自身の存在意義を見出していく。独りぼっちではみ出し者の彼らがつながって、生と死を温かく見つめる一つの社会ができあがっていることも素敵なことだなと思います」

 異国の地で起きた“死”をテーマにつづられる“生”の物語。生きた証を祖国で待つ人々に届けるために、国際霊柩送還士は今日も覚悟を胸に羽田空港に帰ってきた棺の前に立つ。
(TOKYO HEADLINE・秋吉布由子)