ネタバレ注意!大ドンデン返し映画の前日譚『エスター ファースト・キル』を』観てきた!【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】

 こんにちは、黒田勇樹です。

 5月からTOKYO MX2で始まる新番組『J-BOT ケロ太』が絶賛撮影中なのですが、この前の舞台に続き、息子を背負いながらの監督業となっております。きっと面白い作品になると思います。はい。

 そして6月に上演する三栄町LIVE×黒田勇樹プロデュースvol.14『この暗闇を超えて温泉に行こう!GOLD』では出演者オーディションを行いますので、こちらもご興味のある方はぜひ!

 では今週も始めましょう。

黒田勇樹

そもそも「9才の可愛い女の子だと思って養子にしたら、アラサーの殺人鬼だった」っていう大ドンデン返しが評判なホラーサスペンス映画『エスター』の続編として作られたこの映画…。

 前日譚なんですよ…前作は、その“秘密”が、一番の見せ場だったのに、もう、バレバレの状態で“過去編”て!

 過去作を観ている人は「こいつ本当はアラサーだぜ」と、わかっている状況で、初見の人には「わぁ、可愛い少女」というところから話が始まる。

 例えば「桃太郎を題材にする」として、犬とか猿とか雉とか出てきたら「仲間になるんだろうな」と、思うじゃないですか?ここを裏切るかどうかが作家の勝負どころなのですが、この「続編なのに前日譚」という構成だと「仲間にならないといけない」制約が出てきます。

 犬が仲間から外れようと、死にそうになろうと「いや、結局生きてたじゃん」と、思いながら観客が観るので、ドラマティックな展開を作るのが難しい、という感じ。

 チャイルドプレイとか13日の金曜日とか“後日談”の続編なら、どんどん“おなじみ”の残虐なシーンを描写して「それそれ!」と、期待に応えればいいのですが、今作はサブタイトルが「ファースト・キル」

 1回目の殺人が起こるまでをどう見せるのか。

 前半は、ルールをワザと無視したカット割りと、12才の時に演じた役を23才で(しかも過去編だから、12才の時より若い時期を)演じた主演イザベル・ファーマンさんの“違和感”、後半は「母親が〇〇だった」という、またもやの大ドンデン返しから始まるサスペンシブルな展開で、どちらの立場の観客からも存分に楽しめる展開に唸りました。

 第三作の制作も噂されているそうなので、今からでも間に合う注目の1作です!

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黒田勇樹(くろだ・ゆうき)
1982年、東京都生まれ。幼少時より俳優として舞台やドラマ、映画、CMなどで活躍。
主な出演ドラマ作品に『人間・失格 たとえば僕が死んだら』『セカンド・チャンス』(ともにTBS)、『ひとつ屋根の下2』(フジテレビ)など。山田洋次監督映画『学校III』にて日本アカデミー賞新人男優賞やキネマ旬報新人男優賞などを受賞。2010年5月をもって俳優業を引退し、「ハイパーメディアフリーター」と名乗り、ネットを中心に活動を始めるが2014年に「俳優復帰」を宣言し、小劇場を中心に精力的に活動を再開。
2016年に監督映画「恐怖!セミ男」がゆうばり国際ファンタスティック映画祭にて上映。
現在は、映画やドラマ監督、舞台の脚本演出など幅広く活動中。

公式サイト:黒田運送(株)
Twitterアカウント:@yuukikuroda23
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