吉田開威がバンタム級から落としてフライ級トーナメントに参戦。MMAを始めたきっかけはストラッサー起一【RTU】

 アジアの有望なMMA選手にUFCと契約するための道を切り開く「ROAD TO UFC」。その4回目「シーズン4」が5月22~23日にスタートする。この2日間では4階級32名の選手が出場するトーナメントのオープニングラウンドが行われ、日本からは8選手が参加。また、非トーナメント戦のワンマッチにも2名の選手が参戦する。大会を配信するU-NEXTから出場選手のコメントが届いた。

「Gladietor」のバンタム級を主戦場に戦ってきた吉田開威(空手道剛柔流朋武館、6勝1敗)はフライ級トーナメントに参戦。22日の「エピソード1」第4試合でイン・シュアイ(中国、17勝5敗)と対戦する。なお大会の模様は22日20時からU-NEXTで配信される。

吉田開威(©U-NEXT)

 ROAD TO UFC(以下、RTU)にはフライ級での参戦となります。吉田選手はこれまで海外での試合も含めてバンタム級で活躍してきましたが、落とそうと思ったのは?

吉田開威(以下、吉田)「メリットとして、多分、UFCのフライ級ファイターの平均身長って160cm後半あたりなので、自分の身長はフライ級としては大きいほうだから(175cm)、基本的に自分がリーチを取れることからです。ファイトスタイル的にも自分はストライカーで長い距離で戦うのが得意なので、アドバンテージを取りやすい。初めて落とす体重ですが自分で管理栄養士の資格も持っていて自分で管理できるようにしているので自信はあります」

 海外勢のリカバリやフィジカル差を考えたら、落とせるならそのほうが当然いいですよね。
吉田「そうですね。MMA4戦目の時に中国(WKG & M-1 Global)で試合をして、結果は10秒で終わりはしましたけど(吉田が中国のウー・シャオロンに1R KO勝利)、相手選手のことをかなり大きいなと感じて、組みたくないなとは思いました。だからちょっと遠くから一撃強いのを入れてみたんですけど。世界で戦ってみて、身長が大きくて体格差のある選手がここまで落としてくるんだなっていうのをバンタム級で目の当たりにしたのでやっぱりフライ級だなと感じましたね」

 空手出身の吉田選手がいつ頃からUFCを意識していたのか教えてください。
吉田「小学6年ぐらいの時にストラッサー起一選手の試合を見て、馬乗りになって殴っている姿を見て、子どもながらに“あれ、やりたい”と思ったのが最初のきっかけです。そのストラッサーさんが出ていたのがUFCで“一番すごいんだよ”と教えられて。“あ、じゃあ、そこでやりたい”と思いました。やるからにはただ有名になりたいとかではなく、一番強い人を目指したい。MMAって明確に分かりやすいですよね、一番強いのはどこかといえば、UFC。それも面白いなと思いました」

 実際、いつ頃からMMAを始めたのですか?
吉田「中2くらいの時からMMAをやり始めてみた……といっても、その頃はMMAを一切やらずに空手の技術、打撃だけで。勝てはしなかったんですけど、ひたすら経験を積んでいた感じで、2~3年くらい前にMMAの練習を初めて開始しました。空手だけでやってきた経験は全然無駄ではなく、打撃の感覚としてはすごくためになっていたアマチュア時代でした」

 感覚的には、あくまでも空手家として、異種格闘技戦的にさまざまなバックボーンの選手がいるMMAで、どこまで自身の空手が通用するかを試しているような感じだったのですか?
吉田「うーん。空手家としてという(競技を代表するような)感覚というよりも、硬式空手というのがすごく強いルールだと思っているからです。どんなルールでも強い奴はどこでも勝てるんですけど、特に硬式空手は打撃を当てるルールに加えて間合いを取れる。『間合いを取る』ことに関しては、その概念があるとないとでMMAですごく有利に働くので、間合い感覚が特に良い部分で働いていると思っています。MMAって、立ち上がりに遠い間合いから始まっていくのが多いのが特徴だと思いますが、そこがすごくやりやすいんです」

 空手をMMAで生かすことと、MMAにアジャストするバランスはどう取っているのですか?
吉田「MMAの3~4戦目ぐらいまではバランスが取れていなかったです。まずそもそもグラップリングの技術がプロのレベルとして追いついてない状態だったので。そうさせない戦い方はしていたのですけど。僕はどちらかというと打撃に振り切っているので、そこから極めにいくようなところには意識を持って行かず、極めるフリをしてエスケープする、というような方向に意識を持って取り組んでいます。やっぱり、それができてやっと自分の打撃が生きるので。ゆっくりと今、時間をかけて、プロの試合を戦っていく中でやっとアジャストできているイメージですね。練習でいろんな方に極めてもらって、1回極められるとエスケープ方法が分かってくるので、打撃のスパーリングでは強く当てられない分、逆に自分から寝に行ったりとか、自分から壁の展開にしたりして、いろんな状況での知らない技とかをどんどん極めてもらってます」

 前戦、シンバートル・バットエルデネ選手とのGLADIATORバンタム級暫定王者決定戦でMMAプロ初黒星を喫しました。先ほど組み技、寝技の練習の強化について話されていましたが、やはりこの試合での経験はターニングポイントになりましたか?
吉田「シンバートル戦の時は、本当に絶対に1回は投げられるかなとは想定していたのですが、相手の体重超過があったとはいえ、思ったよりフィジカルもめちゃくちゃ強かったですし、逆に1回自分が立ったことに関してはすごい自信になったんですけど、やっぱそれでも足りないなって、本当に身に染みて思ったので、試合直後からすぐもう週2~3回はレスリングみたいなイメージで、体を強くする使い方などに比重を置いて練習してきました。もちろん打撃も技術的に高めはしますけどグラップリングやスタンドでのレスリングの攻防などをメインにしています」

 初戦の対戦相手、中国のイン・シュアイ選手について印象を教えてください。
吉田「まず最初に試合を見た時は“ヤンチャだな”とは思ったんですけど、とりあえず(笑)。遠い間合いは得意じゃない印象です。まずそこを見て勝ち筋はもうあるなと感じたんですけど、どちらかというとレスリングと近い間合いの打撃のイメージで、とにかくローで中に入ってきて。で、そこで中で打ち合いながら胴タックルして、みたいな印象でした。相手もやりたいことが明確に決まっているというのは分かるんで。そこをどう対策するかを考えています」

 どのような試合展開になると思いますか。
吉田「今回は、前戦の負けを生かして、技の出し方やタイミングをすごく考えているので、ずっと遠い間合いをキープできるかなと思います。で、間合いをキープしながら、まあどこかで穴を作っていって、その間に打撃を差し込んで効かせ、最終的に何か大きなもので倒すと思います」

 応援しているファンの皆さんにメッセージをお願いします。
吉田「全試合KOで勝ち切りますので、応援よろしくお願いします」

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