タブレット純、浅草でリサイタル開催!昭和歌謡に声帯模写、アリス矢沢透&元スクールメイツも
「和田弘とマヒナスターズ」元メンバーで、“ムード歌謡の貴公子” こと歌手でムード歌謡漫談家のタブレット純が6月9日、浅草公会堂にて「タブレット純リサイタル2025」を開催した。自身初の自伝『ムクの祈り』(リトルモア)出版時にインタビューした記者が、全24曲、怒涛の約3時間をリポートする。
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東京メトロ・都営浅草線「浅草駅」から徒歩約5分。雷門の前から雷門通りを直進して2本目、かつて洋菓子喫茶「アンヂェラス」のあったオレンジ通りを直進し、浅草公会堂に到着した。記者が浅草公会堂に訪れたのは「新春浅草歌舞伎」の取材以来で、中に入るのは初めて。約1000席の場内は満員御礼で、リサイタルが始まるのを今か今かと待ち侘びた。
赤いフリフリ袖のマンボ風衣装に身を包んだ純が、東京パノラママンボボーイズを従えて登場。ロス・インディオス「コモエスタ赤坂」をもじった「コモエスタ浅草」に「アーッ、うっ!」の掛け声が響く。続いてトリオ・ロス・パンチョスで知られるラテンの名曲「ベサメムーチョ」、サンバのリズムから始まる山本リンダ「どうにもとまらない」をステージ上手から下手まで移動し、途中でヘソ出しになるほどパワフルに熱唱。
衣装を銀のスパンコールが美しい水色のロングドレスに着替え、オリジナル曲「東京パラダイス」を歌い上げると万雷の拍手が鳴り響いた。ここで東京パノラママンボボーイズが退場し、「一人だとちょっと頼りないので」と司会者の西寄ひがしを紹介。「きれいですね、純さん」と衣装を褒める西寄に、じっと顔を見つめた純が「……西寄さん、相変わらず中華街のお面に似ていますね」とポツリ。3階席まで埋まった会場を見渡し「後楽園球場みたい」と喜んだ。
「マヒナスターズでデビューして23年、その頃は七三分けでタキシードだったんですけど、こんなふうになってしまって……」と回想し、和田弘とマヒナスターズ「回り道」、オリジナル曲「そんな事より気になるの」。MCでは徳光和夫の声色を交え “『路線バスの旅』に出てもらいたいと思ったんだけど、あの人はギリギリだねって言われた” という秘話を明かす。十代でシャンソンバー「青い部屋」に通ったという純は、フランス語と美輪明宏訳を交え「暗い日曜日」、ギタレレのストラップがドレスに引っかかるトラブルがありながらも美空ひばり「悲しい酒」を歌い上げた。