脂肪吸引の保険適用について|適用条件と費用を抑える方法を解説

脂肪吸引を検討している方にとって、保険が適用されるかどうかは重要な判断要素のひとつです。結論からお伝えしますと、脂肪吸引は原則として保険適用外の自由診療となりますが、特定の条件を満たす場合には保険が適用される可能性があります。
本記事では、脂肪吸引の保険適用条件から費用を抑える方法まで詳しく解説いたします。
- INDEX
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- 01 脂肪吸引が保険適用外とされる理由
- 02 美容目的と治療目的の違い
- 03 自由診療としての脂肪吸引
- 04 脂肪吸引が保険適用される例外的なケース
- 05 高度肥満症の診断基準(BMI35以上)
- 06 肥満症の診断基準(BMI25以上)
- 07 保険適用される外科的治療について
- 08 保険適用される手術の種類
- 09 外科的治療の保険適用条件
- 10 脂肪吸引の費用相場と内訳
- 11 部位別の費用相場
- 12 施術方法別の費用
- 13 費用に含まれる内容
- 14 脂肪吸引の費用を抑える方法
- 15 モニター制度の活用
- 16 キャンペーンや割引の利用
- 17 追加料金のないクリニックを選ぶ
- 18 全国展開クリニックの検討
- 19 医療費控除について
- 20 医療費控除の対象外となる理由
- 21 例外的に対象となるケース
- 22 脂肪吸引と肥満治療の違い
- 23 治療目的の違い
- 24 対象患者の違い
- 25 手術内容の違い
- 26 保険適用の診断・手続きの流れ
- 27 初診・診断の流れ
- 28 必要な検査項目
- 29 注意すべきポイントとまとめ
- 30 医師との十分な相談が重要
- 31 費用対効果を十分検討する
- 32 健康状態を優先する
- 33 まとめ
脂肪吸引が保険適用外とされる理由
脂肪吸引は基本的に健康保険の適用外となります。これは健康保険制度が「病気やケガなどの治療が必要な方」に適用されるものであり、体を美しくさせたいという美容目的は当てはまらないからです。
健康保険で受けられる診療は、医学的に必要と判断される治療に限定されており、脂肪吸引のような美容整形手術には適用されません。また、医療費控除についても、美容目的の脂肪吸引は原則として対象外となっています。
美容目的と治療目的の違い
脂肪吸引が保険適用外となる最大の理由は、その目的が「治療」ではなく「美容」にあるためです。一般的な脂肪吸引は、体型を改善し見た目をきれいにすることが主目的となり、これは健康保険の適用範囲には含まれません。
しかし、医師が医学的必要性を認めた場合には、例外的に治療目的として扱われ、保険適用の可能性が生じます。このような判断は、患者の健康状態や合併症の有無によって決定されます。
自由診療としての脂肪吸引
脂肪吸引は美容目的の施術とみなされるため、公的医療保険は適用されず、費用はすべて自己負担の自由診療となります。自由診療では、クリニックが自由に料金を設定できるため、同じ施術内容でも医療機関によって費用に差が生じます。
脂肪吸引が保険適用される例外的なケース
脂肪吸引が例外的に保険適用となる場合があります。それは肥満が原因で病気になってしまった、または肥満で病気になる可能性がある場合です。美容目的ではなく、病気につながるかどうかが分かれ目となります。
高度肥満症の診断基準(BMI35以上)
BMI35以上の高度肥満と診断された場合、以下の条件を満たすと保険適用の対象となる可能性があります。
- 肥満が原因でひざや腰の痛みがある
- 健康診断でメタボリック症候群と診断された
- 肥満以外に高血圧、糖尿病、高脂血症、脂肪肝と診断された
- 肥満が原因で睡眠時無呼吸症候群やいびきがひどい
これらの症状があり、脂肪量過多による健康被害がある方は、保険適用の可能性があるためクリニックや病院に相談することをおすすめします。
肥満症の診断基準(BMI25以上)
BMIが25以上35未満の場合でも、以下の条件を満たすと肥満症と診断され、保険適用の可能性があります。
- 耐糖能障害(2型糖尿病・耐糖能異常など)
- 脂質異常症
- 高血圧
- 高尿酸血症・痛風
- 冠動脈疾患(心筋梗塞・狭心症)
- 脳梗塞(脳血栓症・一過性脳虚血発作)
- 脂肪肝(非アルコール性脂肪性肝疾患/NAFLD)
- 月経異常・不妊
- 睡眠時無呼吸症候群・肥満低換気症候群
- 運動器疾患(変形性関節症・変形性脊椎症)
- 肥満関連腎臓病
これらの疾患は肥満と密接な関係があり、体重減少によって症状の改善が期待できるため、医師が治療の必要性を認めた場合に保険適用となる可能性があります。
保険適用される外科的治療について
高度肥満症で他の治療法では十分な効果が得られない場合、外科的治療(肥満症手術・バリアトリック手術)が選択肢となることがあります。日本では、一定の条件を満たす場合に限り、これらの手術が保険適用となります。
保険適用される手術の種類
現在、日本で保険適用が認められている減量手術は以下の2種類です。
- 腹腔鏡下スリーブ状胃切除術
- 腹腔鏡下スリーブ・バイパス術(2024年6月より保険適用開始)
これらの手術は食事の量を物理的に制限したり、消化吸収のプロセスを変更したりすることで体重減少を促します。保険適用の場合、自己負担額は入院費用や手術費用を含め、総額で30万円前後が目安となります。
外科的治療の保険適用条件
外科的治療が保険適用となる条件は以下の通りです。
腹腔鏡下スリーブ状胃切除術の場合
- BMI35以上:6ヶ月以上の内科的治療を継続し、糖尿病、高血圧症、脂質異常症、閉塞性睡眠時無呼吸症候群、非アルコール性脂肪肝炎のうち1つ以上を合併
- BMI32~34.9:6ヶ月以上の内科的治療を継続し、糖尿病(HbA1c8.0%以上)、高血圧症、脂質異常症、閉塞性睡眠時無呼吸症候群、非アルコール性脂肪肝炎のうち2つ以上を合併
腹腔鏡下スリーブ・バイパス術の場合
- BMI35以上
- 6ヶ月以上の内科的治療を継続している
- 糖尿病を合併している
- 術者として5例以上の経験を持つ外科医が在籍している施設
これらの条件をすべて満たした場合のみ、保険適用での手術が可能となります。
脂肪吸引の費用相場と内訳
保険適用外の脂肪吸引にかかる費用について詳しく見ていきましょう。脂肪吸引の費用は部位や施術方法によって大きく異なります。
部位別の費用相場
脂肪吸引の部位別費用相場は以下の通りです。
| 部位 | 費用相場 |
|---|---|
| 顔(頬・顎下) | 15万円~30万円 |
| 二の腕 | 15万円~45万円 |
| お腹 | 15万円~30万円 |
| 太もも | 15万円~30万円 |
| お尻 | 20万円~40万円 |
| 背中 | 15万円~35万円 |
施術範囲が広いお腹の脂肪吸引は他の部位よりも高額になることが多く、範囲や脂肪の量によって変動します。
施術方法別の費用
脂肪吸引の方法によっても費用は異なります。
| 施術方法 | 費用相場 | 特徴 |
|---|---|---|
| ボディジェット | 25万円~50万円 | ジェット水流で脂肪を分離 |
| ライポマティック | 20万円~40万円 | 微振動で脂肪を吸引 |
| アキーセル | 25万円~45万円 | 微細振動でダウンタイム短縮 |
| ベイザーリポ | 15万円~30万円 | 特殊超音波で効率的に吸引 |
| 手動式(シリンジ法) | 20万円~50万円 | 医師の手による繊細な施術 |
費用に含まれる内容
脂肪吸引の費用には以下のような項目が含まれることが一般的です。
- カウンセリング料
- 麻酔代
- 手術費
- アフターケア用品費
- 術後の検診費用
ただし、クリニックによって費用に含まれる内容が異なるため、事前に総額を確認することが重要です。
脂肪吸引の費用を抑える方法
脂肪吸引の費用は高額になりがちですが、いくつかの方法で費用を抑えることが可能です。
モニター制度の活用
多くのクリニックで実施されているモニター制度を利用することで、通常よりも低価格で施術を受けることができます。モニター制度とは、施術前後の写真や経過を公開する代わりに、特別価格で施術を受けられる制度です。
モニター制度のメリット
- 通常価格から最大約62%OFF
- 顔出し不要のクリニックもある
- 同じ品質の治療を受けられる
例えば、湘南美容クリニックでは二の腕の脂肪吸引が通常71,290円のところ、モニター価格で35,600円となっています。
キャンペーンや割引の利用
クリニックが実施するキャンペーンや割引を活用することで費用を抑えることができます。
- 期間限定キャンペーン
- 新規患者限定割引
- 特定部位の割引
- 友人紹介制度
- 複数部位同時施術割引
施術前にクリニックの公式サイトやSNSで最新のキャンペーン情報を確認することが重要です。
追加料金のないクリニックを選ぶ
脂肪吸引の費用を抑えるには、カウンセリングやオプションの追加料金が明確で安価なクリニックを選ぶことが重要です。施術費用以外に麻酔代やアフターケア用品の費用が別途かかる場合があるため、追加料金を含めた総額を事前に確認しましょう。
全国展開クリニックの検討
全国展開している比較的規模が大きい美容外科は、医薬品や医療機器を大量に仕入れるルートを持っていることがあり、脂肪吸引の料金を安く設定していることがあります。このようなクリニックを選ぶことで、費用を抑えられる可能性があります。
医療費控除について
脂肪吸引は原則として医療費控除の対象外となりますが、一部例外的なケースもあります。
医療費控除の対象外となる理由
美容目的の脂肪吸引は医療費控除の対象外です。医療費控除は病気の治療を目的とした医療費に対して適用される制度であり、美容整形は審美目的で利用されるため、原則として対象になりません。
例外的に対象となるケース
ただし、医師が治療目的と判断し、医学的必要性があると認められた場合は、例外的に医療費控除の対象となる可能性があります。具体的には、肥満が原因で特定の疾患を患っており、その治療の一環として脂肪吸引が行われる場合などです。
詳しくは管轄の税務署や専門家にご確認いただくことをおすすめします。
脂肪吸引と肥満治療の違い
脂肪吸引と肥満治療は根本的に異なる治療法です。この違いを理解することで、読者に適した治療選択ができるでしょう。
治療目的の違い
脂肪吸引は主に美容目的で行われ、体型を改善し見た目をきれいにすることが主目的です。一方、肥満治療は健康上の問題を解決するための医学的治療として位置づけられています。
対象患者の違い
肥満治療の対象となるのは、BMIが25以上で健康障害を伴う肥満症患者や、BMI35以上の高度肥満患者です。これに対し、脂肪吸引は健康状態に関係なく、美容目的で体型を改善したい方が対象となります。
手術内容の違い
肥満症の外科治療は、胃の縮小を伴う手術(スリーブ状胃切除術など)が中心で、脂肪吸引は含まれません。肥満症患者にとって皮下脂肪吸引・切除は健康を害する恐れもあるため注意が必要とされています。
保険適用の診断・手続きの流れ
脂肪吸引が保険適用になる可能性がある場合の一般的な流れをご紹介します。
初診・診断の流れ
保険適用を受けるための手順は以下の通りです。
- 肥満外来や内科などの専門医療機関を受診
- 初診での問診と検査(身長・体重・腹囲測定、血液検査、血圧測定など)
- 医師による肥満症の診断
- 治療計画の立案
- 保険適用の確認
- 定期的な通院と経過観察
必要な検査項目
保険適用の判断には以下の検査が必要となる場合があります。
- BMI値の算出
- 腹囲測定(男性85cm以上、女性90cm以上で内臓脂肪型肥満の可能性)
- 血液検査(血糖値、脂質、肝機能など)
- 血圧測定
- 必要に応じて画像診断
これらの結果に基づいて医師が肥満症かどうかを診断し、治療の必要性を判断します。
注意すべきポイントとまとめ
脂肪吸引を検討する際に知っておくべき重要なポイントをまとめます。
医師との十分な相談が重要
保険適用の可能性がある場合でも、まずは信頼できる医療機関で医師に相談することが重要です。BMIが25を超えていて関節痛などの症状がある場合は、保険適用になる可能性があるため、まずは内科を受診することをおすすめします。
費用対効果を十分検討する
脂肪吸引は高額な治療であるため、モニター制度やキャンペーンを活用しつつ、複数のクリニックで見積もりを取って比較検討することが大切です。また、追加料金を含めた総額を事前に確認し、予算内で安全に施術を受けられるクリニックを選びましょう。
健康状態を優先する
肥満による健康障害がある場合は、美容目的の脂肪吸引よりも、まず医学的治療を優先することが重要です。40代以降は心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まるため、健康診断の結果が思わしくない場合は早めに医療機関を受診しましょう。
まとめ
脂肪吸引は原則として保険適用外の自由診療ですが、BMI35以上の高度肥満や、BMI25以上で肥満関連疾患を有する場合には例外的に保険適用となる可能性があります。美容目的の脂肪吸引を検討している方は、モニター制度やキャンペーンを活用して費用を抑える方法を検討し、複数のクリニックで十分に比較検討することをおすすめします。
また、肥満による健康障害がある場合は、まず医学的治療を優先し、信頼できる医療機関で適切な診断と治療を受けることが大切です。読者の健康状態と目的に応じて、最適な選択肢を検討していただければと思います。
